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 周りを静かに見守る「おばあちゃん」だった。

 千葉県市原市の「市原ぞうの国」で生活する13頭のうち、最高齢の推定53歳。人間で例えると80歳を超え、国内で3番目の高齢だった。

 仲間が騒いでいても動じない。おなかがすいてもエサの時間をじっと待つ。「年下のゾウを落ち着かせる存在感があった」と坂本小百合園長は話す。

 高さ3・2メートル、体重4トン、鼻の長さ1・8メートルも園内一だった。一番の見せ場は、毎日2回の「ぞうさんショー」。リズムに合わせて耳を前後に動かし、巨体を揺らしてステップしてみせた。和太鼓のバチを鼻先で器用に持ち、8頭の仲間のゾウが奏でるハーモニカやタンバリンの音色に合わせ、太鼓をたたいた。観覧した子どもたちからエサをもらうときは体をかがめ、目尻を下げてにっこりと応じた。

 1989年。新潟県の動物園の閉園を機に、開園したばかりのぞうの国に来た。仲間のゾウとはすぐにうちとけた。ショーで華麗に逆立ちをこなすと、たちまち一番の人気者になった。

「大丈夫よ。落ち着いて」 そんな言葉をかけているように見えた

 子どもには恵まれなかったが、…

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