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 一目ぼれした古いタクシー会社の建物。東京に暮らすフードスタイリストの高橋みどりさん(63)は、12年ほど前に夫の故郷・栃木で出会ったその建物を改装して店と住まいを構えた。早朝は松林を歩き、夕方からご近所さんと食卓を囲む。コロナ禍の自粛期間は東京を離れて栃木で過ごし、今は完全な移住を見据えている。そこで暮らし、感じる心地よさとは――。

拡大する写真・図版「私たちの生活風景を見聞きした人の琴線に少しでも触れて、『そんなことで幸せなんだ』と思ってくれることがあれば嬉しい」と話す高橋みどりさん(右)と夫の吉田昌太郎さん

 朝8時過ぎの栃木県那須塩原(旧黒磯)市。晴れの日には、タクシー会社の建物を改装した我が家の前の歩道脇にテーブルを出して、夫婦は焼きたてのバゲットにたっぷりのバターをぬる。「2人が幸せそうに食べているから前を通りたくなるんです」。月曜日の早朝に車で野菜を納品する農家の青年からメールが届いた。フードスタイリストの高橋みどりさん(63)は、横でコーヒーを味わう夫の吉田昌太郎さん(48)に「なんだかうれしいね」と伝えた。

 高橋さんは、料理研究家の有元葉子さんや高山なおみさんらの料理本を数多く手がけてきた。料理に合わせたしつらえを提案する仕事だ。12年前から東京と黒磯を行き来する生活を重ね、コロナ禍の自粛生活に背中を押されて、黒磯に移住することを決めた。

 始まりは、昭和初期に建てられたタクシー会社の建物との出会いだった。

 50歳で東京・恵比寿で骨董(…

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