あるゾウの死が、3頭のライオンが誕生するきっかけになった。
3頭のうちのメスの「シルク」は今春、愛知県の豊橋総合動植物公園に無償で譲渡され、繁殖を目指している。相手は、広島市安佐動物公園からやはり無償でやってきた、オスの「アース」だ。
2017年4月、群馬県桐生市の桐生が岡動物園で、アジアゾウのイズミが推定61歳で死んだ。1964年に来園して以来、市民らに親しまれてきた園のシンボル的存在だった。イズミが最期の時を迎えつつあるなか、1人しかいない獣医師職員は、イズミの診療にかかりっきりになった。
【プレミアムA】動物たちはどこへ 変わりゆく動物園
情報公開請求して入手した資料と取材をもとに迫った動物園が抱える理想と現実、ひずみとは――。
ゾウ舎からそれほど離れてい…