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 東日本大震災10年となる来年3月に、三陸鉄道の列車内で「光る絵本展」が開かれる。準備にあたっているのは岩手県内の高校生たち。震災を風化させまいと、絵本のストーリーと被災地の復興を重ね合わせる。

 絵本展は盛岡市を拠点に子どもたちの地域活動を支援する「ドリームシードプロジェクト」の山崎智樹代表(40)が企画した。お笑いコンビ「キングコング」の西野亮廣(あきひろ)さんの絵本「チックタック~約束の時計台~」を展示する。

 時計の修理工と伝染病にかかった孤児の物語に、山崎さんは「自然災害と疫病を乗り越え、約束の再会を果たすというストーリーが、コロナ禍で迎える震災10年にふさわしいのではないか」と考えた。三陸鉄道の中村一郎社長(65)も「10年という節目に列車に乗り、震災や復興、被災地のこれからについて思いをはせてもらいたい」と応じ、実現が決まった。

 盛岡市や釜石市の高校生、岩手出身の大学生など約15人が準備を進める。釜石高校2年の佐々木遥花さん(17)は震災当時、鵜住居小学校の1年生で、隣の釜石東中学校の生徒と一緒に避難し無事だった。

 「学校で月に2~3回は避難訓練があったから、落ち着いて行動できた」と佐々木さん。いまでは他県の高校生や大学生とも交流し、防災教育の重要性を訴えている。「自分たちは震災を覚えている最後の世代。絵本展をきっかけに被災地に足を運んでもらい、震災の教訓や復興の状況を伝えたい」と話す。

 絵本展は来年3月12~16日。列車内にレンタルした挿絵の原画44枚のパネルを展示し、ライトで照らす。今月31日までクラウドファンディングで支援を募っている。目標金額は250万円で会場費や広告費にあてる。返礼品には高校生たちが選んだ三鉄グッズや地元の海産物を用意する。問い合わせは山崎さん(090・8783・6559)へ。(藤谷和広)

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