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 菅政権が発足して約3カ月。菅義偉首相の肝いり政策をめぐって、政府と与党が初めて激しく衝突したのが、75歳以上の医療費窓口負担の問題だった。一定数の医療費を「2割負担」に2022年度後半から引き上げることが、昨年12月に決定。影響を受ける人数は、370万人に及ぶ。攻防の過程で、「自助・共助・公助」を唱える首相の思想が垣間見えた一方で、菅政権が今後も直面するであろう社会保障政策での火種も浮かんだ。決着までの1カ月。政府・与党を巻き込んだ激論の舞台裏を追った。

11月17日

消えた二つの案

 11月17日午前、首相官邸。閣議を終えた菅首相、加藤勝信官房長官、田村憲久厚生労働相の3人だけの協議が始まった。同行した財務省や厚生労働省の官僚の入室は許されなかった。

 3人の手元には、厚生労働省の試算があった。

 今の仕組みでは、自己負担は原則1割。2割負担になれば高齢者の負担増につながる。対象者数をどこまで広げるのか、もしくは狭めるのか。所得基準をどこで線引きするかで政府内でも議論が分かれていた。

 資料には、75歳以上の中で所得上位10%以上から59%までの複数案が記されていた。

この頃、ひそかに共有されていた文書には所得階層ごとに7つの案がありました。途中で2案が消え、議論は二分化していきます。

 加藤氏が口を開いた。「一定の…

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