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 2020年の死刑執行が11年以来9年ぶりにゼロとなる見通しとなった。法務省によると、施設に収容中の確定死刑囚は27日現在で109人。平均収容期間が12年超と高止まりが続くなか、今年に入り高齢の3人が病気により死亡した。

 最後の死刑執行は森雅子前法相だった昨年12月26日。今年9月、18年のオウム真理教元幹部13人らの執行を命じた上川陽子法相が3度目の就任をすると、省内では執行が進むとの観測も広がった。事務方で検討が進められたものの、年内の見送りが決まったという。

 今年は相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で利用者19人が殺害されるなどした事件などで男2人の死刑判決が新たに確定した。一方で61、70、88歳の確定死刑囚の男3人が収容中に病死し、ほかに71歳の男が自殺を図ったとみられ、死亡した。

 死刑は判決確定から6カ月以内の執行が刑事訴訟法で定められている。法務省によると、昨年までの10年間に執行された48人の確定から執行までの平均期間は約7年4カ月。27日現在で収容されている109人の収容期間は平均約12年9カ月に及び、平均年齢は約58・6歳だった。

 このうち73人が再審請求をしている。再審請求中の執行は17年まで17年半ほど途絶えていたが、以降は相次ぐようになった。上川氏は今月の記者会見で、「棄却を予想せざるを得ない場合は執行を命ずるのもやむを得ない」と語った。(伊藤和也)