[PR]

 大手検索サイトのグーグルが、2020年の都道府県別検索ランキングを発表した。三重県の上位五つのワードから、今年を振り返ると――。

1位「三重テレビ」

 三重テレビ放送(津市)は今年、三つの新たな事業に挑戦した。いずれも、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに始めた。

 一つ目は、鈴木英敬知事の緊急記者会見をユーチューブで中継し、配信したことだ。鈴木知事は新型コロナ拡大の節目となった4、5、8月に計11回緊急会見を開いた。その模様を、ネット中継で届けた。

 二つ目は、野球、サッカー、ラグビーの高校スポーツのネット中継。いずれもコロナ禍で無観客試合になったため、中継への需要が高まったようだ。

 一方、中継する側の苦労もあった。高校野球では初めて、社内のスタジオで中継の映像を見ながら、アナウンサーが実況した。球場の「密」を避けるために、球場の放送室を使わなかったからだが、アナウンサーには打球の伸びや風の影響など、ふだんは球場にいることで知れる情報がわからなかった。それでも複数のカメラ映像を元に、違和感なく視聴者に番組を届けることができた。

 三つ目は、県産業支援センター委託事業のオンライン就活への参画だ。これもコロナ禍で、県主催の会社説明会が開けなくなったことが理由だった。

 代替策として、会社説明会をスタジオで実施した。県内企業も複数集まり、アナウンサーが司会を担当。就活生らはビデオ会議アプリ「Zoom」を使って、説明会に参加した。

 こうしたネット配信事業に存在感を出せたことで、「三重テレビ」が検索されたのではないかと、間野丈夫常務は分析。「今後はネットコンテンツの制作が、ますます重要になってくる。そう実感した一年でした。この流れは来年も続くでしょう」と話した。(佐々木洋輔)

2位「地震」

 津地方気象台によると、1月から12月20日までに県内で観測した震度1以上の地震は13回。昨年1年間の7回と比べて、倍近くに増えた。最大震度は2。気象庁が震度ごとの揺れの状況を示す「震度階級関連解説表」では、「屋内で静かにしている人の大半が、揺れを感じる」レベルだ。

 気象台の担当者に2位だったことを伝えると、「意外でした」と驚いていた。

 「地震」の検索が増えたことについては、「思い当たるのは、今年、県内や県境が震源になった地震が複数回観測されたことですかね」と話した。昨年、震源が県内の地震を観測したのは1回だったが、今年は20日までに3回だった。さらに、県境が震源になった地震は2回観測したという。(岡田真実)

3位「グランピング」

 グランピングは「グラマラス(魅力的な)」と「キャンピング」を合わせた造語。キャンプ用具などは持参せず、ベッドやエアコンなどが備え付けられた豪華なテントなどでキャンプが楽しめる。三重県内では、数年前から伊勢志摩地域を中心にグランピング施設が広がっている。

 「なんと言っても、密を避けられるキャンプブームが大きかった」。2019年8月にオープンした「グランドーム伊勢賢島」(志摩市阿児町神明)の担当者はこう言う。

 利用客の多くは、大学生や家族連れなどで、県内外から訪れる。16部屋を備えるこの施設では、今年7月からの月別の稼働率が90%を超え、特に繁忙期となる夏季には平日でも満室の日が続いた。中でも今年の特徴は、夏に比べて低くなりがちな秋季の稼働率が90%を超えたことだという。

 14年6月に国内初の本格的なグランピング施設としてオープンした「伊勢志摩エバーグレイズ」(志摩市磯部町穴川)。担当者によると、5区画ある施設は、県の休業要請が解除された5月中旬以降、ほぼ毎日予約で埋まった。お盆のシーズンも、予約が4カ月ほど前から相次いだ。

 例年なら、大阪や愛知の客が多いが、今年はコロナ禍もあり、大阪からの客が減った一方で、県内客が全体の4分の1ほどを占めていたという。担当者は「電話予約では、満室のために断ることもあった」と、その人気ぶりを振り返った。(大滝哲彰)

4位「三重大学 麻酔科」

 三重大学は9月11日、記者会見を開き、不正の内容を明らかにした。第三者委員会の調査などによると、医学部付属病院臨床麻酔部の当時の准教授が2018年から今年3月にかけ、使っていない薬を使ったかのように装い、約2200の診療録(電子カルテ)を改ざんし、計2800万円超の診療報酬を不正に請求していたという。

 大学は准教授を津地検に刑事告発して、懲戒解雇した。元准教授は公電磁的記録不正作出・同供用の容疑で地検に逮捕され、その後に起訴された。

 事件をきっかけに、当時の教授のほか、臨床麻酔部の医師が次々に退職した。また、病院で麻酔の専門医を養成するプログラムも一時停止された。もともと三重県は、人口10万人あたりの麻酔科医の数が全国で最も少ない。麻酔科医の不在に、さらに拍車をかける事態になっている。

 県は「麻酔科医の確保は地域医療を安定させる重要な課題だ」と三重大の動向を注視している。病院は、麻酔科医の確保に向けて、積極的にリクルート活動を繰り広げている。(甲斐江里子)

5位「みえ得トラベルクーポン」

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、観光業界は全国的に大打撃を受けた。国の「Go To トラベル」事業のみならず、再生のための取り組みを各自治体が進めている。

 三重県は「みえ得トラベルクーポン」を9月から計4回発行。県内の宿泊施設を対象に、1泊1人あたり5千円を上限に割引されるとあって、多くの人がこのクーポンに飛びついた。

 「みえ得トラベルクーポン」の情報は、県観光連盟の公式サイト「観光三重」の特設ページに掲載されている。検索数が多かった理由について、県観光魅力創造課の寺本久彦課長は、この「観光三重」の存在が大きいと分析する。

 日本観光振興協会の調べによると、「観光三重」は全国の旅行関連サイトのうち、パソコン版で4位、スマホ版で1位のアクセス数がある。「観光三重」が運営するツイッターやインスタグラムなどのSNSは、計約10万人のフォロワーがいる。寺本課長は「みえ得の発行時はSNSを通じて情報が回り、アクセス数がドカンと増える」と話す。

 実際、感染が広がる中で発行した4回目の11月16日は影響が懸念されたが、用意されたクーポンはわずか2時間でなくなった。

2020年都道府県別Google検索ランキング

【三重県】

1位 三重テレビ

2位 地震

3位 グランピング

4位 三重大学 麻酔科

5位 みえ得トラベルクーポン

(Google調べ。調査対象期間は1月1日~11月22日)

関連ニュース