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 世界がコロナ禍に苦しんだ2020年は、株式市場も激動の一年となった。日経平均株価は乱高下しながらも、バブル崩壊後の最高値圏に達した。コロナ後の景気回復への期待と金融緩和であふれたマネーが株高を演出したが、期待先行の危うさも漂う。楽観的な相場は、コロナが収束し、経済が正常化に向かうシナリオを織り込んでおり、その実現性が先行きを左右しそうだ。

 30日午後、東京証券取引所で開かれた年末恒例の大納会。コロナに揺れた一年を象徴するかのように、華やかさは影を潜めた。例年は取引終了を告げる鐘を著名人が鳴らすイベントもあるが、今回は感染防止のため人数を1割以下に絞り、約40人の市場関係者だけが出席した。

 「新型コロナウイルスの急激な感染拡大と対応に世界中が翻弄された」。東証社長で親会社・日本取引所グループの清田瞭・最高経営責任者(CEO)は、そう語った。一方、株価が急落前を大きく超えたことには「一年を通してみると、非常に堅調な相場展開となった」と振り返った。

 変動幅が30年ぶりに1万円を超えたこの一年の相場は、荒れた展開で始まった。年明けに米軍がイランを攻撃し、初日の日経平均は下げ幅が一時500円を超えた。この時、市場の懸念材料は中東情勢や米中貿易摩擦が中心だった。

 ところがコロナ禍で情勢は一変した。2月に感染が中国から欧米に広がり始めると、株価は大きく下落。機関投資家の中には、保有株の値下がりが一定水準を超えると、それ以上の損失を防ぐために株を機械的に売る「損切り」ルールがあり、売りが売りを呼ぶパニック的な展開も見られた。

 日本では日経平均が1月の2万4千円台から、3月中旬に1万6千円台に急落。米ニューヨーク市場では感染が急拡大していた3月半ば、ダウ工業株平均が連日のように1千ドル超の急落と急騰を繰り返し、売買を一時的に止める「サーキットブレーカー」が4回も発動された。2月に3万ドルに迫っていたダウ平均は、1カ月余りで2万ドルを割り込んだ。

 4月に入ると、各国の金融緩和と財政出動で相場は落ち着きを取り戻し、安定した上昇基調に転じた。これを引っ張ったのは、コロナ禍に伴う社会のデジタル化が追い風となった米西海岸の技術系企業だ。電気自動車の米テスラは株価が1年で8倍となり、時価総額は世界の自動車業界で圧倒的首位に躍り出た。ダウ平均は11月の米大統領選後に史上最高値を再び更新し、3万ドルの大台にも乗せた。

 国内も秋以降、企業業績が回復し始めたことやワクチン開発の進展で楽観ムードに。年末には日経平均が2万7千円台に回復し、30年ぶりの高値となった。

潤沢な「緩和マネー」に支えられ

 初夏から続く堅調な株価上昇の陰の主役は「緩和マネー」だ。経済危機を抑え込むため、主要国の政府・中央銀行が大規模な財政出動や金融緩和に踏み切り、株式市場への資金の流れが強まった。

 国内では日本銀行が金融市場の…

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