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 米民主党のジョー・バイデン氏が来年1月、正式に大統領に就く。優先課題はコロナ禍で大恐慌以来の落ち込みとなった経済の立て直しだ。その政策「バイデノミクス」は、政府の介入を強めた約90年前のニューディール政策に通ずる。市場原理を重視してきた過去数十年の潮流の転換点になりうるが、実現への道は険しい。

 大統領選最終盤の10月末、バイデン氏は人口わずか400人の温泉地、ジョージア州ウォームスプリングスで遊説した。大票田の都会でなく、その地に足を運んだのにはわけがある。

 32代大統領フランクリン・ルーズベルト(FDR)が小児まひの後遺症の療養に通い、第2次大戦終結直前の1945年4月に病没した場所だったからだ。「FDRはこの地を訪れては、米国と世界をどう癒やすかに思いをはせた。そして、実際に行動に移した。世界大恐慌から米国を引き上げ、専制国家を倒し、民主主義を回復した」

 バイデン氏には、強力な市場介入を伴うニューディール政策で大恐慌に対処したFDRを意識する言動が目立つ。コロナ禍で政府の役割は急拡大。富裕層への課税や大規模な経済対策を通じて富を再分配する「大きな政府」が支持されやすい状況だ。

 「雇用創出、クリーンエネルギー、人種間の平等などの諸問題について、今後の数年間、米国の前にはまたとない好機が広がっている」。バイデン次期大統領は29日の演説で、米国民をそう鼓舞した。

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない米国では、打撃を受けた国民の苦境が続く。米議会は12月末、総額9千億ドル(93兆円)の追加経済対策をまとめたが、党派対立で半年以上も機能不全に陥った議会の状況は、バイデン新政権が直面する政策運営の難しさを印象づけた。

大富豪は豊かに、貧困層は800万人増

 「うちみたいな家族経営の小さな店は苦しくなる一方なのに、大企業には手厚い支援があり、富豪はどんどん豊かになる。この国はまったくフェアじゃない」

 オレゴン州ポートランドでフィ…

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