ONAKAMA、互いの成長とコロナ禍ライブの意味実感

高絢実
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 名古屋市出身のバンド「04 Limited Sazabys」(フォーリミ)ら、同世代3バンドが集結した「ONAKAMA」が、5年ぶりに対バン(競演)ライブツアーを開催している。コロナ禍でもライブを止めず、それぞれの地元のステージで、成長したお互いの音楽をぶつけ合う。

 「同じ釜の飯を食った仲間」という意味が込められたONAKAMAは、フォーリミ、奈良出身「THE ORAL CIGARETTES(ジ オーラル シガレッツ)」(オーラル)、熊本出身「BLUE ENCOUNT(ブルー エンカウント)」(ブルエン)の3バンド。同世代のライバルとして、しのぎを削ってきた。2016年に東京で初めて対バンライブを行い、今回は2回目。それぞれゆかりのある、名古屋、大阪、福岡の3カ所を巡るツアーだ。

 1月初旬には首都圏を中心に緊急事態宣言が出された。実行委は開催の1週間前、公式サイト上で「2020年からの感染拡大と、それに伴うライブ実施の困窮を極めた中で、ライブの意味・意義を改めて確認し、未来に向けてライブを止めないという、3バンドのメンバー、事務所、各関係者の意思」ということに触れ、時間の変更などがあるものの、予定通り開催することを発表した。

 初日の1月24日、名古屋市日本ガイシホール。会場の入り口では検温と消毒を実施し、マスクの着用や換気のほか、発声を控えるなどの感染対策が徹底された。収容率は半分の約5千人。3バンドのそれぞれのグッズに身を包んだファンたちは、距離を保つために1席ずつ空けて着席した。

 トップバッターはブルエン。「バッドパラドックス」でスタートダッシュを切り、ボーカルの田辺駿一が「名古屋、全員で跳びませんか?」。従来のような歓声はないものの、序盤から客席のボルテージが上がっているのが伝わる。

 「去年は何もできなかった。その1年分の積もった思いを放ってほしい」と田辺。「THANKS」「VS」などと続き、会場はさらに熱気に包まれた。「俺たちの音楽はずっと、あなたの味方でいる。間違っていないって思うんだったら、夢中で飛び込んでください」。「ライブに行く」という答えを出した観客席のファンに、田辺はこう語りかけた。最後の曲は「ハミングバード」。コロナ禍でさまざまな答えを出した人たちの背中を、ブルエンがそっと押した。

 オーラルが2番手で登場。「胸張って『ライブ行ってくる』って言えないと思う。その不安を全部ぬぐって帰ります」。ボーカル山中拓也がそう宣言し、「容姿端麗な噓」「トナリアウ」など妖艶(ようえん)なステージを繰り広げる。客席も大きく揺れ、割れんばかりの拍手や手拍子で応えた。

 山中は「人生は選択の連続。きょう、来る・来ないも選択だった。来てくれた人も正解、来られなかった人も正解。あなたたちの人生は、あなたたちで切り開いていってほしい。こういう時期に強くなれると思う」と投げかけた。後半は「『仲良しこよし』ではなく、キラーチューン祭りを選択します」とあおり、「5150」「狂乱 Hey Kids!!」と続けて、ステージを締めくくった。

 バトンを受け取ったフォーリミは、ひときわ大きな手拍子の中でステージに上がった。1曲目の「monolith」から会場のテンションはMAXに。

 約5年ぶりのONAKAMA開催に、ボーカルのGENは「大人になって一番最初に失う感情は『悔しさ』らしい。ブルエンとオーラルには、悔しさを感じさせ合う関係でいたい」と意気込んだ。

 中盤には「音楽やライブは体の健康には直接関係ないけど、精神に効くと実感している。こういう状況で来てくれたからには、皆さんの心を少しでも軽くして送り出したい」と、ファンたちに「Horizon」を贈った。

 「今回、いろんな意見があったと思う。皆さんにとってライブが、よりどころなんじゃないかなと思っている。僕にとってもやっぱりライブは生きがい」とGEN。自分たちが、余計な不安を消し去りたい。そんな思いを込めて、「Squall」を披露した。

 ラストには田辺、山中も合流。田辺は自身の出番で右肩を脱臼してしまい、腕をつった状態で「気合の全てが腕に出てしまった」と笑いを誘った。そして特別に3ボーカルで「swim」を熱唱した。

 お互いに成長した姿を見せつけ、悔しさも感じさせたであろう初日。コロナ禍でも止まることのないONAKAMAは、31日の大阪公演を経て、2月11日の福岡公演へと続く。(高絢実)