歴博の総合誌が全面リニューアル

稲田博一
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 千葉県佐倉市国立歴史民俗博物館(歴博)が発行する歴史系総合誌が全面リニューアルされ、「歴史と文化への好奇心をひらく REKIHAKU」として再スタートした。骨太の特集企画に加えて、漫画やお笑い芸人による歴博紹介など、親しみやすくかつ楽しめる内容に「変身」。一般の人でもネットで買えるなど販路も拡大した。

 歴博が発行する雑誌としては、1983年10月から広報誌「歴博」が、95年6月からは歴史系総合誌に衣替えした「歴博」が発行されてきた。リニューアル前の最後の発行は、昨年3月で通算219号だった。一方で、2017年には歴博内でプロジェクトを発足させ、全面見直しの準備を進めてきた。

 プロジェクトの中心で、再スタート第1号の編集長を務めた歴博の山田慎也教授(民俗学文化人類学)は「歴史学の面白さを、歴博としてどう伝えるのか。学問の先端性を維持しつつ、社会の求めるテーマを取りあげたいと考えた」と話す。

 それをまず、特集に表した。第1号のテーマは「されど歴史」。西谷大・館長と木下尚子熊本大学名誉教授による「歴史学はこういうときに何ができるか」の対談を載せた。歴史研究のリアルな現場を伝えたいと、「ジェンダー史研究事始(ことはじめ)」「実は開発されていた『手つかずの大自然』」「『差別』と多様性をどう展示するか」などの話をまとめた。

 毎号の連載企画にも力を入れた。漫画は博物館の勤務経験がある鷹取ゆうさんに描いてもらった。浅井企画所属のお笑い芸人の石出奈々子さんに歴博を紹介してもらう「れきはく!探検」を、軽妙に分かりやすく書いてもらった。歴博の研究者によるフィールド紀行や、誌上博物館、若手研究者の紹介、「海外の日本研究から」と題した英語と日本語の論文、「くらしの植物苑(えん)歳時記」なども始めた。人気連載になることを願っている。

 また、制作に当たって、プロの編集者にも加わってもらった。判型をA4判変型からA5判にし、本箱で保管してもらいやすいように背表紙も付けた。これまでは歴博か、歴博振興会のHPでしか買えなかったが、普通の出版ルートにのせて「アマゾン」などのネットでも買えるようになった。大学や博物館のほか、東京都千葉県の全高校の図書館に寄贈される。

 年3回発行、1200円。第2号は「いまこそ、東アジア交流史」が特集。2月下旬に発売予定。(稲田博一)