太田成美
新型コロナは、人々の暮らしを変えました。苦境に立つ人たちをどう支えるか。声は政治に届いているのでしょうか。シリーズで考えます。
コロナ禍であらわになったのは、これまでの国の支援ではこぼれ落ちてしまう人たちの存在だった。こもる家さえ失う危機。声を上げたのは、住民と身近に接する地方の職員だった。
神奈川県座間市で一人暮らしをする女性(37)が、職場の仲間に連れられて、市役所を訪れたのは昨年4月7日のことだった。
スーパー銭湯にあるリラクセーション施設で働いていたが、銭湯自体が4月から休業に。業務委託契約で個人事業主扱い。雇い主がいるわけではないので休業補償もなく、収入はゼロに。借金も抱え、月6万7千円の家賃が払える見通しはなくなった。「絶望しかなかった」。部屋の明かりもつけず、布団にくるまって過ごした。
対応した市の生活援護課は、無利子で生活費を貸し付ける「緊急小口資金」を紹介したものの、家賃支援には踏み込めなかった。生活苦で住まいを失う恐れのある人に家賃相当額を払う「住居確保給付金」は、失業や廃業が条件だった。
2週間後、その壁が取り払われる。「減収」も対象に加える国の制度改正が行われたのだ。女性には、月4万1千円が3カ月間支給されることが決まった。
銭湯は時短営業ながら6月に再…
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