マレーシア、シンガポールの両政府は1日、両国で進めていた首都間を結ぶ高速鉄道計画について、撤回すると発表した。2016年に建設協定を結んだが、マレーシア側が18年の政権交代を受けて一時凍結を要求。昨年末を期限として計画の見直しを進めていたが、折り合うことができなかった。
高速鉄道はクアラルンプールとシンガポール間の約350キロを約90分で結ぶ構想で、13年に建設に合意。16年12月に法的拘束力を持つ建設協定を結んだ。当初は26年末の開業をめざしており、日本企業なども受注に関心を示していた。
だが18年のマレーシアの政権交代で当時のマハティール首相が計画の延期を発表。コストの大幅な削減をめざし、20年5月末を期限として計画を見直す予定だった。さらに、新型コロナウイルス流行の影響もあって期限を12月末まで延ばして交渉を続けていた。
計画撤回により、マレーシア側には賠償金の負担が生じる見込みだが、具体的な金額は両国とも明らかにしていない。両政府は1日の声明で「撤回の結果として生じる義務をそれぞれ果たし、必要な手続きを進める」と説明した。
一方、マレーシアのムスタパ…
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