第4回解剖室から現場の検分へ 死者への敬意、真相に迫る情熱

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山崎毅朗
写真・図版
遺体が語る「声なき声」に耳を傾ける法医解剖医。5回連載でその現場を伝える。デザイン・花岡紗季
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 短時間に複数の車が絡み合う多重事故。多くの傷を負った遺体を解剖し、死に至った経緯を明らかにするのも法医解剖医の役割だ。

 数年前の夏、山口県内の高速道路で、ミニバンの横転をきっかけに11台が絡む事故が起き、ミニバンに乗っていた男児が亡くなった。ミニバンはガードレールに接触して横転。男児は窓から路上に放り出された。

 県警が事故に関係した車のドライブレコーダーや運行状況を記録するタコグラフを解析したところ、ミニバンの横転から数分の間に、後続車4台が相次いで男児をひいたことがわかった。

 だが、男児が何台目の車にひかれて死亡したのかは分かっていなかった。

 山口大の法医解剖医・高瀬泉は、男児がどの時点で亡くなったのかを明らかにするため、解剖台の前に立った。

 生存時に負った傷には出血な…

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