稽古仲間が突然の心肺停止、剣士ら「自然に体が動いた」

松永佳伸

拡大する写真・図版心肺停止の男性の命を救った渡辺さん(右)と赤尾さん=2020年12月4日午後1時46分、岐阜市鷺山の岐阜北消防署、松永佳伸撮影

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 剣道の稽古後に心肺停止の状態になった男性(68)を救命したとして、岐阜市消防本部はこのほど、稽古仲間の渡辺行惇さん(74)=同市=と赤尾康江さん(44)=羽島市=に感謝状を贈った。

 同本部によると、8月20日午後8時10分ごろ、岐阜市の市青山青少年会館で剣道の稽古を終えて休憩していた男性が突然、意識を失った。異変に気付いた人たちが、胴衣やはかまを緩めたり、119番通報したりした。直前まで一緒に稽古をしていた渡辺さんは、名前を呼びかけたが返事がないなど、意識がないことを確認。すぐに胸骨圧迫による心臓マッサージを施した。以前に講習を受けた時、救急隊員から「本人が嫌がらない時は心臓マッサージをしてください」と指導を受けたという。

 近くにいた赤尾さんは、会館備え付けの自動体外式除細動器(AED)で電気ショックを2回実施。119番通報から約9分後、救急隊員が到着し、医療機関に搬送された。男性は約1カ月入院したが、後遺症もなく社会復帰した。

 12月にあった感謝状の贈呈で、岐阜北消防署の市村浩幸署長は「バイスタンダー(救急現場に居合わせた人)の連携で献身的で適切な処置がなされ、一命を取り留めることができた」と感謝。渡辺さんは「少し手伝っただけ。自然に体が動いていた」、赤尾さんは「心臓マッサージやAEDの大切さを改めて実感した。本当に元気になられて良かったです」と話した。

 同署によると、心肺停止の場合、処置が1分遅れると社会復帰できる可能性が7~10%下がると言われる。昨年度、岐阜市内で社会復帰できたのは3・6%だったという。(松永佳伸)