第3回子のひきこもりに追い詰められ 高額でも業者にすがる親

有料会員記事ひきこもりのリアル

高橋淳
写真・図版
「引き出し」ビジネス③ グラフィック・米澤章憲
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 ドンドンドン。深夜に壁をたたく音。「あーーっ」という大声。息子がまた荒れている。やっと収まった、と思うとまたくり返される。近所にもこの声は響いているだろう。一体どうすれば……。

 愛知県内に暮らす男性(80代)が、苦しい日々を振り返った。

 息子(50代)がひきこもるようになったのは40年近く前、高校1年生の時だった。

 最初の兆候は、朝起きなくなったこと。「ひきこもりという言葉はまだなく、甘えや怠けだと思っていた」。やがて全く登校しなくなり、高校に相談に行った。その後は教育委員会、県の福祉窓口、不登校の子を持つ家族の会……。平日に動ける夜勤明けを利用して、妻と2人で考えられる限りの場所に足を運んだ。

 「そんな日々が2、3年も続いた。どこも話はよく聴いてくれる。でも具体的にどうしたらいいかは教えてくれない」

「引き出し屋」と呼ばれる「引きこもり自立支援ビジネス」の実態を追うルポ。なぜ、高額な費用を出して我が子を業者に託すのか。3回目は、追い詰められた親たちの心境に耳を傾けた。

 息子を精神科のクリニックに…

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