「優勝はまだ早かった」創価大、箱根Vへの重圧から失速

堀川貴弘
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 「(10区の)10キロくらいまでは、先着できると思っていた」。箱根駅伝初優勝を逃した創価大の榎木和貴監督は冷静に振り返った。「15キロすぎくらいから小野寺(勇樹)の足が鈍り、残り4キロで(後方から駒大監督の)大八木(弘明)さんの声が確実に聞こえてきた。大八木さんの執念が選手に伝わったのでしょう」

 区間最下位と失速し、逆転を許したアンカーの小野寺は、脱水症状などのアクシデントではなく、「優勝に向けた緊張から来るものでしょう」と榎木監督。それでも、9区までは、復路のスタート時より2位以下との差を広げる好走で「選手たちはよく走ってくれた。駒大さんは勝ち方を知っている。経験が足りなかった」と語った。

 全体でもアンカーを除いた9人が区間8位以内の安定した走り。体のぶれの少ないフォームが浸透していた。東京都八王子市にある大学周辺のロードを走り込んで身につけたものだ。「周りは起伏のあるコースばかり。すべてが箱根につながっている。どんなコースでもどんな気象でも言い訳せずに走ってきた」。昨年2月には監督の古巣旭化成宮崎県延岡市)で合宿を張った。「実業団で日本一のチームはどんなものか体験させたかった」

 初出場からたった6年での準優勝。「優勝するチームを作るにはまだ早かった。この悔しさを忘れずに立て直したい」と雪辱を誓っていた。(堀川貴弘)

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