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 磯の海藻を食い荒らす厄介者のムラサキウニを駆除し、流通規格外の廃棄キャベツを与えて身入りを良くした「キャベツウニ」を、神奈川県が商標登録した。全国では、白菜やブロッコリーなど様々な廃棄野菜によるウニの養殖の研究が進む。今後、思いもよらない「キャベツウニ」が登場する可能性も出てきた。

 県水産技術センター(三浦市)によると、商標は昨年7月14日に出願し、10月21日に登録された。漁業者や水産関係団体であれば、県内外を問わず、県から許諾を受ければ無償で使える。使用の申請は今年4月から受け付ける予定。廃棄キャベツによるウニの養殖は、県内では横須賀、小田原、逗子、三浦の4市内の漁業者や、川崎市内の生鮮市場が取り組んでいる。

 今回の商標の対象はキャベツに限らず、廃棄される流通規格外の野菜などで育てた生鮮のウニや、そうしたウニを使った加工水産品としている。北海道では白菜、三重県ではミカン、山口県ではトマトやアスパラガス、愛媛県ではブロッコリーを使ったウニの養殖の研究が進んでいる。これらも漁業者ら生産者から要望があれば、「キャベツウニ」として商標の使用を許諾する方向だという。

 同センター企画指導部の臼井一茂主任研究員(51)によると、県内の沿岸では15年ほど前から磯の海藻がなくなる「磯焼け」の現象が起き、原因生物のウニなどの駆除が行われてきた。ウニは雑食性で、駆除した個体に様々な食材を与えたところ、三浦半島名産のキャベツをよく食べた。

 そこで食用部位の身(生殖巣)が肥大する4~6月に流通規格外のキャベツを与えたところ、苦みや臭みのないおいしい身に成長することがわかった。駆除したウニをブランド化して出荷できれば、磯焼け対策と流通規格外のキャベツの有効利用の一石二鳥となる。

 県は「磯焼け救援隊キャベツウニ」「菜食系キャベツウニ」の2件も商標登録の申請をしていて、審査が続いている。商標の使用などに関する問い合わせは、同センター(046・882・2311)へ。(茂木克信)