第5回強引に「説得」は暴力 斎藤環さんに聞く「引き出し」

[PR]

 高額な費用で親と契約し、子どもの意思とは無関係に部屋から連れ出して施設に入れ、「自立」を促す――ひきこもりからの自立支援をビジネスとする民間業者をめぐって、訴訟やトラブルが相次いでいます。どんな業者で、親が頼ってしまう背景には何があるのか。「引き出しビジネス」の事情に詳しい精神科医筑波大教授の斎藤環さんにききました。

拡大する写真・図版「引き出し」ビジネス⑤ グラフィック・米澤章憲

 ――ひきこもりの自立支援をうたって親と契約し、子どもの意思とは無関係に部屋から連れ出す民間の「自立支援業者」のトラブルが相次いでいます。

 ひきこもっている本人のもとに繰り返し訪問するというならまだしも、こうした民間ビジネスの特徴は、本人には何も知らせずに、たった1度の訪問で連れ出す点です。これは当事者からみればどうしても暴力になる。

 連れ出された本人は宿泊型の施設に入り、集団生活を強いられます。中には、そんなスパルタ式が自分にはよかった、合っていたという人もいるかもしれない。でも、仮にそうした「ショック療法」が効く人がいたとしても、それは「たまたま」であって、一般化することはできません。何より失敗した場合には本人にはトラウマが残り、その恨みから家族関係は修復困難になります。

 親が契約したからといって…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。