「人が怖いのは孤独」 正月の炊き出し、弁当に手紙添え
北九州市を拠点に生活困窮者やホームレスの支援などに取り組むNPO法人「抱樸(ほうぼく)」が3日、同市小倉北区の勝山公園で、路上で亡くなり引き取り手のなかった人たちの追悼集会と新年最初の炊き出しを実施した。1990年代から続く恒例行事。今年は新型コロナウイルスの影響で、さまざまな制約の中での開催となったが、亡くなった一人ひとりを心に刻み、新しい年を元気に過ごしていこうと声をかけ合った。
会場には、これまでに亡くなった99人の木製の追慕碑が並べられた。例年は参加者が1人ずつ献花するが、今年は代表3人が花束を手向けた。
炊き出しでは、焼き肉弁当などが配られた。例年は会場で調理して振る舞うが、今年はあらかじめ110食を準備。その場で食べて交流したり、書き初めや羽根つきを楽しんだりするのも見送られた。代わりに弁当には「お元気でお過ごしになられますように」「風邪など引かないように気をつけてください」「がんばろう!」などとボランティアが書いた手紙が添えられた。
生活保護を受けながら一人暮らしをする60代男性は弁当を受け取り、「正月もコロナが心配でどこにも出かけず、ずっと家にいた。食事はありがたいし、みんなに会えたのもうれしい」。路上生活を経験した70代男性は「多くの人が気づかってくれていることがわかり心強い」と話した。
抱樸は感染拡大後も炊き出しと夜間巡回を絶やさず、3~11月は月2回、冬場の12~2月は毎週実施。正月やお盆は生活困窮者やホームレスが孤立感を深めるとして、追悼集会と炊き出しを開いてきた。奥田知志理事長(57)は「人間にとってコロナも怖いが、ひとりぼっちになることこそが怖い。ステイホームの中でも、人がつながっていくことを大事にしたい」と、活動支援の寄付を呼びかけている。問い合わせは抱樸(093・653・0779)。(佐々木亮)


































