[PR]

 2021年が始まった。毎年多くの人でごった返す京都の寺社の年越し風景は、新型コロナウイルスの影響でどうなったのか。大みそかの夜から元日未明にかけて、八坂神社(京都市東山区)周辺を記者2人で歩いてみた。

 12月31日午後7時過ぎ、神社周辺の人通りはまばらだった。「いつもよりずっと少ない」。権禰宜(ごんねぎ)の東條貴史(たかふみ)さん(34)が嘆く。

 境内では、灯籠(とうろう)でキク科の薬草オケラを燃やし、その火を持ち帰って健康を祈る「をけら詣(まい)り」が始まっていた。初詣とセットで人気の伝統行事だが、今回の参拝者はほとんど待たずに火を受け取っていた。

 東山区の自営業、辻忍さん(61)は人の少なさにほっとした様子。「コロナ、コロナと言ってたらあっという間に1年が過ぎた気がします。来年は落ち着いた日を送りたい」と話した。

 境内の寂しさに拍車をかけるのが、参道を彩るはずだった約50の屋台の営業中止。コロナ対策の一つだ。綿菓子屋の男性(69)は「インバウンド(訪日外国人)が消え、大赤字の年だった。お客さんとの交流が、この商売の楽しみ。交流を待ちわびてます」。元日から他の約20店とともに開店するため、準備に忙しそうだった。

 午後11時、神社周辺の交通規制が始まり、四条通は鴨川の東側が歩行者天国になった。例年はここで立ち止まって新年を待つ人が多い。今回は違った。神社に向けて6列のレーンが設けられ、立ち止まれなくなったのだ。「前の人との距離は1メートル以上保ち、マスクの着用をお願いします」。警察官が連呼する。解放感は薄まるけれど、歩くのも難しかった昨年に比べて人の流れはスムーズだ。

 1日午前0時。「10、9、8、7」とカウントダウンをしていた一部の若者から「ハッピー・ニュー・イヤー」の歓声も上がり、場が華やぐ。

 ただ、本殿周辺が大勢でにぎわったのは、年明けの30分ほど。昨年のこの時間帯は外国人や家族連れなどですし詰め状態だったが、今年はこれが三が日に100万人の初詣客が来るという八坂神社かと思うほど、がらがらだった。1月いっぱいが初詣として分散参拝を呼びかけていることや、公共交通の終夜運転中止も影響したのだろう。

 左京区の会社員男性(34)は…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら