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 インターネットの世界は、時に奇妙なワードがトレンドをにぎわせる。

 「大都会岡山」もその一つだ。「晴れの国」や「フルーツ王国」でなく「大都会」。県内約190万人の推計人口(2017年度)は都道府県で20位、GDPは21位なのにである。

 検索すると出るわ出るわ。検索大手グーグルでのヒットは約440万件。例えば、岡山駅東口として紹介される画像は映画「スターウォーズ」の超巨大都市そのものだし、「岡山の未来」と題する架空の年表まである。それによると、今年、太陽系が「岡山星系」に改名されるそうな。

 記者には、岡山を巨大都市に見立ててからかっているようにも見える。県民は怒っていないのか? そもそもなぜこんな呼び名が――。

アンジェラ・アキさん、連絡お待ちしています

 ルーツをたどると、ある歌手にたどり着いた。

 「手紙~拝啓十五の君へ~」などで知られるアンジェラ・アキさん。06年、NHKのインタビュー番組に出演し、徳島から岡山に引っ越した中学時代を振り返った。「テレビのチャンネルも全部見られたし、駅前のドーナツ屋さんとかにも衝撃を受けてしまって」と語り、その印象を「大都会岡山」と表現した。

 これがその後、じわりと反響を広げていったようだ。今回、本人に経緯を尋ねようとしたが連絡がつかなかった。

 ただ、ネットをさかのぼると、発言の2年前にはすでに「阪神の本拠地を大都会岡山に移そう」などの書き込みがある。

 さらにはその頃、「大都会」のイメージと重なる岡山駅前再開発構想もあった。岡山市北区のバイオ企業が02年に打ち出した「ザ・ハヤシバラ・シティ」。駅南側に総事業費1500億円をかけ、ホテルや美術館などを整備するもので「存在感でウィーンやボストン、ミラノになれる」などとうたった。結局開発は進まず、同社は11年に経営破綻(はたん)した。

 この予定地には14年、西日本最大級のイオンモール岡山がオープン。若い世代が集まる岡山屈指のスポットとなった。ここで大都会岡山の受け止めを聞いてみると、「笑えるし、街のアピールにもなる」(20代男性)、「注目されてうれしい」(10代女性)とポジティブな意見が相次いだ。

 イオンモールができた前年、住みやすさをPRする動画「岡山は、大都会である」を制作した岡山市。当時は、市役所の食堂に期間限定の「大都会カレー」も登場させるなど、思い切りトレンドに乗っかった。

 その後に市長に当選した大森雅夫氏(66)は「大都会岡山」を今回の取材で初めて知ったという。世界観に「すごいねー」と感心しきりの市長。でもからかわれていません? 「注目されるのは悪くない。盛り上がるなら活用してもいいじゃん」と屈託が無かった。

大都会=住む人の心の豊かさ?

 岡山で高校3年間を過ごした記…

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