多田晃子
窓一面に広がる海。心地よい波の音。生後5カ月の長女の横で、夫はにこやかに仕事中だ。
千葉県勝浦市の中古別荘。IT会社員のジョンソン知佳さん(35)は2020年9月、東京・田園調布から一家で移住した。
イギリス人の夫のジョージさん(44)は、都内のヘッドハンティング会社の社長。20年にテレワークを導入し、出勤は週2日でよくなった。都内の自宅で海外の顧客や引き抜き候補者とZoom(ズーム)でやりとりしていた。出社や広い会議スペースが不要になり、家賃約60万円の恵比寿のオフィスを解約した。
「テレワークでどこでも仕事は出来るし、オフィスは必要ないね」「東京にいる意味ある?」
知佳さんが産休に入る頃、そんな会話が増えた。
夫婦の人生観が変わる出来事もあった。ジョージさんの幼なじみでスペインに住む男性の交通事故死。コロナ禍、親友の死など、人生は不公平なことも起こる。だから楽しめる時は楽しまないと。そんな考えに行き着いた。
夫婦そろって海が好き。ゴルフのためによく訪れていた勝浦市で物件を探すと、その「安さ」に驚いた。田園調布の賃貸住宅(3LDK)の約2年分の賃貸料で、5LDKの中古別荘が買えたからだ。
暮らしは一変…
この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。
この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。
この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。
この記事は有料会員記事です。
残り:964文字/全文:1473文字
2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら
速報・新着ニュース
あわせて読みたい
PR注目情報
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。
朝日新聞社会部