コロナ下の室井滋を励ます祖母の知恵「つまずいたら…」

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斉藤勝寿
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 大正時代に富山から全国に広がった「米騒動」が映画化された。生活を守ろうと決起する女性たちを描いた「大コメ騒動」(8日全国公開、本木克英監督)だ。リーダー「清んさのおばば」を演じた富山出身の俳優・室井滋さんが、苦しい時に思い出す言葉がある。働き者で賢い富山の典型的な女性だった祖母ヨキさんのつぶやきだ。

むろい・しげる 富山県生まれ。早大在学中に俳優デビュー。日本アカデミー賞を受賞した「居酒屋ゆうれい」「のど自慢」など出演作多数。エッセー集『むかつくぜ!』や絵本『しげちゃん』シリーズなど著書も多い。

 時は1918(大正7)年、富山の貧しい漁師町で暮らす松浦いと(井上真央)は米俵を浜までかつぐ重労働をして生活を支えていた。しかし、米は浜から船に積み込まれ、値段はどんどん高騰。いとら富山の女性たちは、清んさのおばば(室井)をリーダーに、米の積み出し阻止を試みる。

 「米騒動は教科書にも載っているほどの歴史的事実で、とっくに映画化されておかしくなかったが、地元では米騒動のことを表立って語る人は少なかった。女性が立ち上がるのは恥ずかしいことととらえてきた人たちがいたのでしょうね。私自身は随分前に、本木監督から映画化をどう思うかと聞かれて、ぜひやるべきだとお答えしていましたね」

昔はもっと年寄りがえらくて元気だった

 室井さんや監督の本木さんをはじめ、新聞記者役の立川志の輔、活動家役の西村まさ彦、米穀商の姉妹役に左時枝柴田理恵ら富山出身者が多く出演している。

 室井さんが演じた「清んさのおばば」は、特異な容姿と際だった存在感で女性たちをリードする。モデルになったのは自宅の近くに住んでいた行商のおばあさんだ。「脚本を読んだときに、この役はあのおばあちゃんだと思った。髪はぼさぼさ、真っ黒に日焼けしていて、他人の私でも、甘えて泣いていると頭ごなしに叱る。そんな強烈な女性でした」

 映画には清んさのおばばだけでなく、いとの義母(夏木マリ)ら強烈な老人たちが登場する。「今はおとなしい老人が多い。若い人の邪魔にならないように生きている。昔はもっと年寄りがえらくて元気で、リーダーシップをとれる時代だった。うちも祖母にいろいろなことを聞いていました」

 実家は富山県内で長く荒物商…

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