ちゃんこ鍋が相撲界の力関係を左右? 新米記者の気づき
小俣勇貴
昨年9月、初めて大相撲を国技館で見た。力士の体つきに釘付けとなった。「何を食べたら、こんなにでかくなるのだろう」。すぐ頭に浮かんだのは「ちゃんこ鍋」。そもそも、ちゃんこ鍋って何だろう?
鍋シーズン真っ盛りの昨年12月、西日本のアマチュア相撲の強豪、近畿大相撲部の寮を訪ねた。1年を通じて週6日、1食目に必ず鍋が出るという。
「ちゃんこ場」と呼ばれる調理場をのぞくと、2人の1年生が黙々と食事の用意をしていた。食堂には大鍋が。湯気のなかで、豚肉、鶏肉、豆腐、白菜、ホウレンソウが踊っていた。
この日は「水炊き」。どんぶりに盛った具材にめんつゆ、アオサ、卵などを混ぜた特製のタレをかける。主将の梅木竜治郎(3年)は「絶品。いつもどんぶり飯を3杯食べています」。記者もごちそうになった。少し濃いめのタレが絡んだ熱々の具材を口に含むと、たしかにご飯が進んだ。
ちゃんこ鍋の起源は日本相撲協会でも明確に把握できていない。通説では明治時代の終盤、横綱常陸山の活躍で出羽海部屋に入門者が殺到。それまで食事は力士ごとに配膳していたが、一度に大量に作って食べられる鍋が定着したようだ。
鍋料理を食べるだけで体は大きくなるのか。サッカー日本代表の酒井宏樹らをサポートしてきた公認スポーツ栄養士の柴田麗(うらら)さんに尋ねてみた。
「肉や魚と一緒に野菜もたく…