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 【鹿児島】新型コロナウイルスの影響が続く中、新たな1年が始まった。塩田康一知事は朝日新聞のインタビューに応じ、県政の重要課題である九州電力川内原発の運転延長問題や、馬毛島(西之表市)で防衛省が進める米軍訓練移転などの計画に対する考えのほか、2021年の抱負を語った。

 ――知事に就任した昨年を振り返って

 新型コロナ関係の仕事が大きな比重を占めた。医療提供や検査の体制確保や充実、各事業所における感染対策の支援といった安心安全の確保を進めた。県としての(感染状況の)警戒基準を定め、需要喚起策も打ち出した。

 台風などの災害対応のほか、鳥インフルエンザ、サツマイモ基腐病(もとぐされびょう)などの対策に取り組んだ。鹿児島国体の23年開催が決まったことも印象に残っている。

 ――川内原発の安全性を検証する専門委員会に原発に批判的な識者を入れると公約した。その時期は

 最長20年の運転延長問題を科学的・技術的に検証するのが目的。九電が運転延長の申請をする前に専門委の態勢を整える必要がある。申請時期が専門委員の次の任期満了時(22年12月)の前か後かは分からないが、申請に向けた特別点検などの動向もみながら、委員の追加を検討したい。

 ――委員の意見が全会一致にならない場合、県民投票を検討するとしている

 県民の意向を把握するためだが、絶対に県民投票をするということではない。他の方法も含め、状況を見て総合的に判断したい。

 ――馬毛島で防衛省が進める一連の計画について

 地元の市町によると、住民は騒音や漁業などへの影響を不安に感じている。賛成派も経済効果の程度や交付金の有無を知りたがっている。防衛省にはこうした疑問に答える判断材料を示していただき、丁寧な対応をお願いしたい。

 ――計画に反対する漁業者らが昨年末、防衛省が島の周辺海域で実施するボーリング調査を塩田知事が許可したことは違法として、鹿児島地裁に提訴した

 ボーリング調査は法令の手続きに従って審査をした上で実施されている。県庁の審査の手続きや内容についてしっかり説明したい。

 ――一連の計画に賛否を示す上で、重要視するのは国益か地元経済か

 国の安全保障は重要な課題だが、住民の暮らしも大切だ。両方の評価を総合的に考えなければいけない。

 ――今年取り組みたいことは

 年末年始の全国的な感染状況を見ながら、新型コロナ対策を続ける。一方で、コロナ後の鹿児島の経済を見据え、農業や観光など県民が安心して暮らせる産業の基盤整備を進めたい。(小瀬康太郎)

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