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 仕事始めの4日、熊本県内の役所などで新年が本格的にスタートした。

 昨年7月の記録的豪雨で25人が亡くなり、400棟超の住宅が全半壊した球磨村の仕事始め式は、松谷浩一村長や課長ら約15人が出席。冒頭、豪雨災害で亡くなった人々に黙禱(もくとう)した。

 松谷村長は「今年度中に策定する復興計画は堅実な中にも夢のもてる計画にしたい。村民の思いに少しでも応えられるように職員一丸で復興に取り組んでいきたい」とあいさつ。各課から、復旧の本格化に伴い職員に過重な負荷がかからないよう気を配ることや、新型コロナウイルス感染予防の徹底が呼びかけられた。

 12月31日に中村五木市長(71)が急逝した天草市。市役所2階庁議室での仕事始め式に幹部職員約30人が集まり、初めに中村氏の冥福を祈り黙禱した。職務代理者の金子邦彦副市長は「行政は立ち止まるわけにはいかず、市民サービスの要望にしっかりこたえなければならない」と呼びかけ、組織力を生かして業務を進めるよう指示した。

 中村市長に言及する中で、「市民の皆様にとっても大きな力をなくした。少し市長に頼りすぎていたのではなかったか、トップダウンに甘んじていたのではないかと反省している」と述べ、「悲しみは悲しみとして心にとどめながら、前に進んでください。ともに頑張りましょう」と結んだ。映像と音声は庁内と9支所に同時に流された。市は4日、本庁舎と9支所に中村市長死去に伴う記帳所を設けた。

 新型コロナ対策として熊本市は仕事始め式を取りやめた。代わりに、事前に収録した約5分の大西一史市長の訓示を庁内ネットの掲示板で動画配信。職員が任意の時間に視聴できるようにした。

 大西市長は動画の中で、年末年始も休まず新型コロナに対応している職員をねぎらったうえで、「市民が不安に思っていることを安心に変えていけるように、職員一丸となって力を合わせ頑張りたい」と訓示した。熊本地震から4月で5年となることや、熊本城の復旧とJR熊本駅前の整備が進むことなどを挙げ、「復旧復興が多くの皆さんのおかげで進んできた。それを確実に形にし、市民が前向きになれるように市政運営を頑張りたい」と述べた。また、明るく前向きにいろんな望みを持って過ごしてほしいという願いを込めて、今年の一字として「望(のぞみ)」を選んだ。

 県も同様に仕事始め式を取りやめ、蒲島郁夫知事が動画で訓示した。その中で、球磨川流域の創造的復興、熊本地震からの創造的復興、新型コロナ対応の三つに触れ、「一人ひとりのチャレンジを大いに期待している。私自身も持てる力を最大限に使う」と呼びかけた。

 今年の一字として、7月豪雨で氾濫(はんらん)した球磨川の総合的な治水対策「緑の流域治水」の具体化に取り組む思いを込め「緑」を選んだと説明。各地に更なる成長の芽吹きを生み出したいという意味も重ねたという。

 熊本地震については、被災者の住まいの再建や阿蘇方面へのアクセスルート回復が進んだ一方、益城町の復興や熊本空港の「大空港構想」実現を課題に挙げた。新型コロナについては観光宿泊業と飲食業が特に甚大な影響を受けていると指摘。「これらの方々の痛みを最小化する方策を県職員が全員で考えて実行しよう」と述べた。(井岡諒、西田慎介、白石昌幸、伊藤秀樹)

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