森下友貴
梅元良次さん(38)は出勤すると、まずタンタンのところに顔を出す。
「おはよーさん」
タンタンは「両手」を挙げて近づいてきて、檻(おり)につかまる。梅元さんが「えさくれポーズ」と呼ぶしぐさ。「今日も元気だ。それに、やっぱりかわいい」
梅元さんは神戸市灘区の市立王子動物園の飼育員。ジャイアントパンダの「タンタン(旦旦)」(メス25歳)を担当して12年半になる。
タンタンは昨年7月で中国との契約が終わり、帰国するはずだった。だが新型コロナウイルスの感染拡大で、故郷・四川省までの直通便が飛ぶ見通しが立たなくなり、帰国が延期されたまま、年を越した。
思いがけず生まれた特別な時間…
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朝日新聞社会部