県、時短要請を全県の全飲食店に 20時まで

新型コロナウイルス

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 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、神奈川など4都県に、週内にも緊急事態宣言が発出される方向となった。神奈川県は4日、県内全域のすべての飲食店、カラオケ店を対象に、今月12~31日は午後8時までの時短営業とするよう要請した。

 県が4日に打ち出した対策は、国から2日に「直ちに行うべきだ」と求められた内容をなぞったものだ。

 県は現在、横浜市川崎市で「酒類を提供する飲食店とカラオケ店」に対し、今月11日までは営業を午後10時までとするよう求め、応じた店には1日4万円の協力金を払っている。

 4日に決めた新たな対策では、8~11日は、営業を午後8時(酒類の提供は午後7時)で終えると協力金を上乗せする。

 また、12~31日は、対象の店舗を「すべての飲食店とカラオケ店」に、対象地域も全県に広げ、酒類を提供するかどうかにかかわらず営業を午後8時まで、酒類の提供は同7時までとするよう求める。応じると4万円より増額した協力金を払う。額は調整中だが、8~11日の上乗せ後の額と同額にするという。

 対象地域を全県に広げるのは、横浜、川崎両市以外の感染者が増えているためだ。県によると、1週間あたりの新規陽性者に占める2市の割合は昨年12月6~12日は8割近かったが、12月27日~今年1月2日は約6割に下がったという。

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 県は4日、時短営業のほかにも様々な要請事項を決めた。県民に対し、8日から31日までは、特に午後8時以降の飲食を伴う外出を自粛するよう要請。企業には、テレワークの比率は5割を目標にし、時差出勤や休日の分散化、年次有給休暇などの取得で「密」を避けるよう訴えた。

 また、イベントの開催要件も見直す。いまは会場の収容人数が1万人超の場合は人数の50%、収容人数が1万人以下の場合は5千人がそれぞれ上限だが、8~31日は一律で5千人以下での実施を要請。ただし対象は新規販売分で、すでに販売した分は対象外という。

 開催が迫っている成人式については市町村に実施の判断を委ねる。実施する場合は、式典前後の感染防止対策や会食の自粛を徹底するよう求めるという。

 4日の会議では、阿南英明・県医療危機対策統括官が、会食や職場内感染が感染経路の一定割合を占めているとして、「会食、職場内感染を止めることが、最終的な患者発生を抑制することにつながる」と説明。黒岩祐治知事は「緊急事態宣言の発令も見込まれる中、先んじて人の流れを抑え、人と人との接触機会を減少させる」と語り、さらなる対策に理解を求めた。

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 「緊急事態宣言が出ればまた売り上げが減る。業績は散々です」

 4日、横浜駅前。川崎市の会社員清水景介さん(38)は困惑した表情で語った。仕事は飲食店向け照明器具の交換や修繕など。飛び込み営業が中心だったが、コロナ禍を受けて会社からストップがかかった。電話でアポイントを取ろうとしても、コロナを理由に断られることが増えたという。「参っちゃいますよね」と清水さん。

 横浜市の会社員山崎五月さん(33)は「感染者は増える一方だし、仕方ない」と緊急事態宣言の発出に一定の理解を示す。前回の宣言時には市内の飲食店に勤務していたが、仕事がなくなると思い保険の営業に転職した。3人の子どものうち、2人は保育園に通う。「前回は登園自粛になった。今回も同じになるのか不安です」

 観光業界は宣言の具体的な内容がどうなるか注視している。鎌倉市観光協会の大津定博専務理事は「前回の宣言の時と同様に、観光案内所や観光施設を閉め、働く人たちに休んでもらうのか決めなくては。こちらも対応があり、内容と時期を早く公表してもらわないと困る」

 観光関連の業者からは「対症療法でごまかしながらずるずる時短営業するより、徹底した対策とワクチン接種などで感染を抑え込み、安心できる状況になってから営業を再開した方がいい」という声が多く寄せられていたという。

 自治体トップも対応を迫られている。川崎市の福田紀彦市長は4日の記者会見で、宣言は「やむを得ない」。ただ、できるだけ規制は抑制的に行うべきだとして、「学校を休校するのは家庭にとっても、ものすごく負担が大きい。休校措置は避けて欲しい」と注文を付けた。

 「早く(宣言を)出した方が良かったのではないかと個人的には思っている」。横須賀市の上地克明市長は記者会見でこう語った。ただ、1都3県が飲食店に「営業は午後8時まで」と時短要請することについては「(感染拡大の理由を)すべて飲食店の責任に帰すことは基本的にはできないと思う」と述べた。

 藤沢市の鈴木恒夫市長は、この日朝、市幹部が参加する事務始め式で「宣言が発令された時のために、即座に対応できるよう遺漏なく準備を進めていただきたい」と話した。

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 11日を中心に行われる予定だった成人式の中止や延期の発表も相次いだ。

 茅ケ崎市は4日、新成人を会場に集めて行う成人式を中止し、参加者なしで行う式典の様子をオンライン配信すると発表した。「市民の健康と安全を第一に考えた」としている。

 大和市は4日、成人式の延期を発表。感染対策で午前と午後の2部制にし、約1時間短縮の40分間にして行う予定だったが、市内の感染者が昨年12月29日から連日10人以上となり延期を決めた。海老名市も延期を発表した。横須賀市は10、11日に予定していた「新成人のつどい」の延期を昨年12月時点で決めている。いずれも、開催時期は感染状況を見て検討する。

 一方で、対応を決めかねている自治体も目立つ。

 11日に「成人の日」の式典を予定している横浜市。過密状態になるのを防ぐため横浜アリーナのほかパシフィコ横浜ノースも会場に加え、昨年12月には、新成人約3万7千人に入場券の発送を終えている。開催について市教育委員会の担当者は「イベントの開催制限がどうなるかなど(宣言の)内容を見て判断したい」。川崎市の福田市長も「式典後の飲食での感染防止対策には限界もある。数日中に判断する」と述べるにとどめた。平塚市は5日に判断するという。

 厚木市はオンライン開催も含め、宣言の内容次第で判断する方針だ。小林常良市長は「一生に一回の式なので何とか実施したいが、宣言が出たら新たな判断をしなければならない」。

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