ウィキリークス創設者の米国引き渡し、英裁判所が却下

ロンドン=下司佳代子
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 米国で起訴されている内部告発サイト「ウィキリークス」の創設者、ジュリアン・アサンジュ被告(49)について、ロンドンの裁判所は4日、米国への引き渡しを認めないとの判断を示した。「被告の精神状態が悪化し、自殺しかねない」としている。米側は控訴する見通し。

 同被告は2010年、イラクアフガニスタンでの米国の軍事作戦をめぐる機密文書や米外交公電を大量に公表。米司法当局は19年、機密情報を盗んでウィキリークスに提供するよう米陸軍情報分析官に働きかけたなどとして、スパイ法違反など18件の罪で同被告を起訴し、英側に引き渡しを求めてきた。弁護側は、有罪となれば最大175年の禁錮刑となる可能性があると主張している。

 同被告はスウェーデンでの性的暴行容疑で10年に国際手配され、渡航先の英国で逮捕された。保釈中に在英エクアドル大使館に駆け込んで約7年を過ごしたが、19年4月、エクアドル政府が亡命を認めない方針に転じ、英警察に逮捕された。翌月、保釈中に逃亡した罪で禁錮50週を言い渡され、現在はロンドンの刑務所に収容されている。

 面会した精神科医は、同被告は重度のうつ病で、自殺リスクが高いと指摘していた。同被告は大使館にいる間に、弁護団の一人の女性と2児をもうけている。(ロンドン=下司佳代子)