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 新型コロナウイルスの影響で1年延期となった東京五輪の開幕まで200日を切った。早めに来日し、ホストタウンの前橋市で合宿を続けるアフリカ東部・南スーダンの選手たちは日本で2度目の年越しとなった。コロナが収束せず不安も募るが、地元の支援を受けながら練習を再開した。

 開幕200日前を迎えた4日の午後1時。同市総社町1丁目の王山運動場に選手らが集まった。男子3人、女子1人、男性コーチ1人が南スーダンの選手団だ。日本人のコーチから「あけましておめでとうございます」と声をかけられ、練習が始まった。

 全体練習は昨年12月28日以来だが、年末年始も自主練習を続けてきたおかげで4人とも体は軽い。ハードルを使うトレーニングやリレーのバトンを使ったダッシュを笑顔を交えながらこなしていった。

 南スーダンで支援活動をしている国際協力機構(JICA)の仲介で、前橋市に選手団が来たのは2019年11月。当初は大会直前の受け入れを打診されたが、市は同国での練習環境の厳しさを考え、長期受け入れを決めた。大会本番までの8カ月程度のはずだった滞在期間は開催延期で1年を超えた。

ボランティア日本人コーチも共に東京五輪目指す

 勝負の年を迎えても、感染状況は厳しさを増す。菅義偉首相は4日、首都圏の4都県を対象に「緊急事態宣言の検討に入る」と表明。五輪・パラリンピックの開催にも不透明感が増している。それでも選手たちは「しっかり練習を続ける」と前を向いた。

 五輪で陸上男子1500メートル出場を予定しているグエム・アブラハム・マジュック・マテット選手(21)は「開催が1年延びたことで、よりたくさんのトレーニングが積めた」と自信を見せる。

 パラで陸上男子100メートル出場を目指すクティヤン・マイケル・マチーク・ティン選手(30)も「母国では雨が降るとトラックがぬかるんで練習できない。前橋にいれば食べ物も十分。しっかり練習ができる。みなさんに感謝している」。

 ただ、コロナ禍は練習環境にも影を落とした。昨年は緊急事態宣言が全国に拡大。4月下旬ごろから練習場を確保できなくなり、5月末までは利根川の河川敷で自主練習に取り組んだ。参加予定だった大会や記録会の中止も相次いだ。

 コロナ禍で市民との交流は難しくなったが、市は4人の支援を続けてきた。ボランティアでコーチを務めるのは市陸上競技協会員たちだ。その一人、小渕瑞樹さん(23)は自身も五輪で男子1600メートルリレーの代表入りを狙う陸上選手。一昨年の日本選手権では400メートルで2位、昨年も11月の大会でシーズン日本勢最高の45秒78をマーク。3年ぶりに自己ベストも更新し、調子は上向きだ。

 地元の実業団に所属し、午前に仕事をして、午後から同じグラウンドで汗を流す。「大切な家族を失った選手もいる。彼らの言葉からは、普段は当たり前に感じる平和の重みを感じる」と刺激を受けている。最近は代表合宿に呼ばれる機会も増え、南スーダンの選手たちと練習する時間は減ったが、「同じ舞台に立ちたい」と意気込む。

 ヘッドコーチを務める協会理事…

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