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 コロナ下の巣ごもり生活で、料理をする機会がぐんと増えた。この年の瀬はおせち料理も手作りした人が多かったのではないか。記者が手がかりにしたのは、NHKテキスト「きょうの料理」だ。単なる伝統料理ではなく、世界の食の要素を取り込んだ発想がユニーク。常に新しい異文化の味を紹介してきた「きょうの料理」をてこに、食卓と文化の関係を考えてみた。

拡大する写真・図版きょうの料理(2020年12月号)

 今回、テキストを見ながらチャレンジしたのは「スフレだて巻き」。はんぺんと卵黄、小麦粉をなめらかに混ぜ、メレンゲをさっくり合わせて焼くとまるでふわふわのチーズケーキ。伝統おせちにありがちな甘ったるさがやわらぎ、和と洋のハイブリッドおせちという風情で、家族にも好評だった。

一流の料理人が家に引っ越してきたようなもの

 「きょうの料理」は、食卓に新しい風を吹き込んできた。テレビ放送は1957年に開始。前年に経済白書が「もはや戦後ではない」と宣言したが、4人に1人は栄養不足の時期。目指したのは、健康的な食生活に役立つ、新しい料理の紹介だ。時代は下り、共働きや1人世帯の増加に伴う時短料理の提案、生活習慣病対策など、時機に応じた食卓へのヒントをテキストとの両輪で伝えてきた。

 食文化研究家の石毛直道さん(83)が評価するのは、「世界の多様な食を、家庭に広めた功績」だ。「一流の料理人による料理教室が家に引っ越してきたようなものでした。和洋中の様々なおかずを取り混ぜた『新しい食事の様式』を広げるきっかけになったと言ってもよいでしょう」

 新しさは、スタートした57年11月の放送内容に表れている。まだテキストも創刊されておらず、約40年ディレクターを務めた河村明子さん(73)が局内で記録を見つけ、著書で紹介した。最初の「かきのカレーライス」から、「一口カナッペ」「鶏肉のクリーム煮」と、今のメニューと言っても不思議でない。

 「最初のひと月で紹介したホワ…

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