それは「ミニミニ発表会」と題された、約30分のささやかな時間だった。
昨年12月22日夜、福島県南相馬市のショッピングモール催事場。同市の総合型地域スポーツクラブ「はらまちクラブ」の傘下で活動する「みなみそうま遊夢(ゆめ)チアリーダー」の小学生8人が、年間を通して、ただ1度となったダンス発表会を行った。
新型コロナウイルスの感染対策が徹底された中、見に来た家族やクラブボランティア、門馬和夫市長ら来賓に向け、子どもたちが練習の成果を披露し、エールを送る。
「ゴー! ファイト! ウィン!」
クラブの流儀なのか、来観した大人たち約40人全員が、返礼として順番にコメントをした。「元気をもらいました!」「ありがとね!」
小中学生が集まり、2005年に始まった同チームは、地元のお祭りや商工会、敬老会の催し、スポーツ大会などでダンスを毎年10回程度、披露してきた。11年3月の東日本大震災と原発事故後、同年5月に千葉市で開かれたチアリーディングの全国大会にも、避難先から集まり、被災地から唯一、参加した。
「地域に元気を」。それがチームの合言葉だ。
同市の人口は11年10月の6万6542人から、昨年11月は5万2991人と減少。震災前は20人以上いたチアのチームも何とか十数人を維持しながら、「地元の応援団」として存続してきた。バレーボール、まちを巡って俳句を詠むイベントなど、老若男女を対象にしたスポーツ・文化プログラムを通じ、地域の人々の居場所をつくり、支え合いを実践する同クラブの理念の一環でもある。
そのチームを、今度は新型コ…