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 【島根】隠岐諸島の海士町に、季節ごとの労働需要に応じて働き手を複数の事業者に派遣することができる「特定地域づくり事業協同組合」が発足した。町内の事業者が組合員として加盟する「海士町複業協同組合」が昨年12月、県から「特定地域づくり事業協同組合」としての認定を受けた。県によると、全国で初の認定。

 「特定地域づくり事業協同組合」は、人口減少に直面する離島や中山間地域を対象に、地域社会の維持や経済の活性化を目的に6月に施行された「人口急減地域特定地域づくり推進法」に基づいて、都道府県知事が認定する。

 認定を受けることで、通常は許可制の労働者派遣事業を届け出で実施できるほか、派遣労働者の人件費と組合事務局運営費のそれぞれ半額について国と市町村から財政支援を受けられる。年間の支援額の上限は、人件費は労働者1人あたり200万円、運営費は300万円。

 県中山間地域・離島振興課の担当者は「農業や漁業など業種ごとに繁忙期は異なる。季節ごとに組合から異なる業種に働き手を派遣することで、人手不足の解消が期待できる」。事業者は通年必要十分な働き手を確保でき、同時に働き手は通年安定した仕事と収入を得られるという。

 町内では、食品製造、漁業、教育、宿泊、農業をそれぞれ業務内容とする5事業者が認定を目指して11月に「海士町復業協同組合」を発足させ、準備を進めてきたという。

 県庁で先月あった認定証交付式で丸山達也知事は「ぜひ若者の定住やUIターン増加につなげてほしい」。食品製造会社「ふるさと海士」社長で、組合代表理事の奥田和司さんは「海士町では古くから季節ごとに農業や漁業に携わる『半農半漁』の働き方がある。古くて新しい働き方を提示し、地域の魅力を高めていきたい」と話す。(浪間新太)

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