「私は鬼の末裔」記者に断言 熊野「五鬼」姓の謎を追え

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村井隼人
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 世界遺産紀伊山地の霊場と参詣(さんけい)道」の一角、奈良県の集落には「鬼の夫妻が住んでいた」という伝説がある。その子孫、いわば鬼の末裔(まつえい)が三重県熊野市にもいるという。

 熊野市飛鳥町佐渡の運送会社を訪ねた。社長の榎本正一さん(70)が家系略図を見せてくれた。

 榎本家をさかのぼると金子家、さらにさかのぼると「五鬼熊(ごきぐま)」としるされていた。「どうやら遠い先祖は江戸時代まで五鬼熊を名乗っていたらしい」という。

 家系略図を作ったのは兵庫県に住んでいた親戚の榎本信義さん(故人)。親子で榎本家の先祖を調べ、五鬼熊に行き着いた。古い檀家(だんか)台帳や旧役場に残る記録を丹念に調べる信義さんの姿を、正一さんは見てきた。

 この「五鬼熊」が鬼の子孫であるという伝承が奈良県に残っている。

 伝承の舞台は奈良県は下北山村の前鬼(ぜんき)集落。今から約1300年前、前鬼、後鬼(ごき)という鬼の夫婦がいた。この夫婦は山で修行する修験道の祖である役行者(えんのぎょうじゃ)の姿に心動かされ、仕えるようになった。そして「里へ下りて人として生活しなさい」との命を受けて暮らしはじめたのが前鬼集落だったという。

 前鬼と後鬼の5人の子は、修験者を世話する五つの宿坊を開いた。それぞれ「五鬼童(ごきどう)」「五鬼上(ごきじょう)」「五鬼継(ごきつぐ)」「五鬼助(ごきじょ)」そして「五鬼熊」と名乗った。

 いまも前鬼で宿坊「小仲坊」を開く五鬼助義之さん(77)。集落を訪ねた記者に「私は鬼の末裔です」ときっぱりと言い切った。

「五鬼」の付く姓を持つ家系のその後は。そして、本当に鬼は実在したのか。おそるおそる取材を続けました。

 前鬼集落出身で、1997年…

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