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 1都3県を対象とする緊急事態宣言下となる見通しの10日、群馬県内の30市町村が新成人を集めて式典を開く方針だ。ただ、新型コロナウイルスの感染状況が厳しさを増す中、急きょ延期を決めた自治体も。6日時点で開催方針の自治体も、時間短縮や「密」にならないように2部構成や3部構成とするなど、感染対策に知恵を絞る。

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 前橋市の式典は「ヤマダグリーンドーム前橋」で午前と午後の2部制。簡素化し、合間に消毒作業も実施する。県が新たな指針を示す場合は、内容に沿ってオンライン開催などに切り替える可能性もあるという。

 新成人への案内状には、居住地に緊急事態宣言が出た場合は参加を遠慮するよう求める文書を同封した。市教育委員会青少年課は「できるだけ開催したいが、動向を見極めたい」と話す。

 高崎市は合併前の旧7市町村ごとに会場を分けて式典を開く。旧高崎市の新成人が集う群馬音楽センター(定員1935席)は例年、約2千人の出席者であふれかえるが、今年は17の出身中学別に600~650人の3グループに分け、3部制に。全会場で検温し、保健師も待機させるなど感染対策を徹底し、首都圏からの出席者も来場を拒まないとしている。

 太田市の新成人は2500人超。会場の市民会館ホールは1500人収容で、入場者を半分ほどにするため3部制に。予定していた18人編成のビッグバンドのジャズ演奏をクラシックを中心に6人の小編成による演奏に切り替えるなど、簡素化や時短を図る。保護者や、招待される新成人の中学時代の恩師75人には別の会場で式の中継映像を見て参加気分を味わってもらう。

 藤岡市も出身中学別に午前と午後の2部で開く。

 片品村と川場村は昨年末、式典に出席予定の新成人に抗原検査キットを配った。式典前日か当日朝の検査結果を撮影した画像を受付で示してもらう。片品村の担当者は「新成人はいろんな所から集まる。直前に検査することで安心して参加してもらえる」と話す。

 両村とも昨年まで式後に開いていた会食を伴う同窓会は中止。川場村教育委員会は、グループでの飲み会自粛も要請する。

 延期を決めたのは草津、下仁田、甘楽の3町。いずれも東京など大都市圏からの参加者がいることを主な理由に挙げる。

 草津町は、コロナ禍で昨年8月の予定だった式典を今月10日に延期。1都3県に緊急事態宣言が出される見通しとなったために再延期とした。5月ごろの開催を検討している。

 下仁田町は、5月の大型連休の時期に延期を決定。担当課は「新成人と町民の健康が第一」と説明する。

 甘楽町は「コロナの状況次第」として、開催時期は未定のままだ。

 昨年8月の開催を延期した高山村は10日、会場を広い体育館に変え、アトラクションをとりやめるなどして式典のみを開く。

 嬬恋村も昨年8月の式典をコロナ禍で中止した。今年8月に「21歳の集い」(仮称)を開く予定だ。(寺沢尚晃、野口拓朗、長田寿夫、遠藤雄二、柳沼広幸、中村瞬)

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 「本音を言えば、成人式の着付けやヘアメイクは断りたかった」。前橋市内の美容室の担当者が明かす。予約客の多くが東京など大都市圏から帰省するためだ。「感染リスクが怖い。でも常連客のお子さんが多く、断るのは難しかった」

 例年はホームページに予約受け付けの案内を掲載しているが、感染が広がり始めた昨春以降は掲載をやめた。予約件数は例年の半分以下にとどまる。「店としては苦しいが、やむをえない」と話す。10日は感染防止のため通常営業はせず、新成人の着付けとヘアメイクのみ対応するという。

 高崎市内の衣装店は、貸衣装のほかに晴れ着姿の撮影なども手がける。10日の予約は400件超にのぼり、3年前から申し込んでいる人も。間近に迫る式典の延期や中止が相次げば経営への影響は大きい。担当者は「すでに延期になったところもあり、ドキドキしながら状況を見ている」。

 式典への参加見合わせに伴うキャンセルはこれまでのところ限定的だが、年末以降、「店は適切な感染対策をとっているか」と予約客からの問い合わせが約20件あったという。例年は親も着付け部屋に一緒に入れるが、今年は3密対策として本人のみしか入れない。「しっかり対策して待つしかない」。担当者は不安そうに話した。

各市町村の成人式の対応

【1月10日に実施予定】

前橋市、高崎市、桐生市、伊勢崎市、太田市、沼田市、館林市、渋川市、藤岡市、富岡市、安中市、みどり市、榛東村、吉岡町、神流町、南牧村、中之条町、長野原町、高山村、東吾妻町、片品村、川場村、昭和村、みなかみ町、玉村町、板倉町、明和町、千代田町、大泉町、邑楽町

【夏までに予定または延期】

上野村、嬬恋村、下仁田町、甘楽町、草津町

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 群馬県内の新成人は2万662人で、前年よりも248人減った。県児童福祉・青少年課によると、ピークだった1994年の3万4192人の60・4%で、記録が残る中で過去2番目に少ないという。

 新成人は2000年4月2日~01年4月1日生まれの人で、男性1万718人、女性9944人。市町村別では多い順から、高崎市3807人(前年比108人減)、前橋市3293人(同253人減)、太田市2533人(同124人増)、伊勢崎市2389人(同5人減)。少ないのは神流町4人(同6人減)、南牧村5人(同2人減)など。

 県内の新成人のうち外国人は1099人で、全体の5・3%を占める。記録が残る2003年以降で、昨年の1130人に次いで過去2番目に多い。市町村別で多いのは、伊勢崎市222人、太田市216人、前橋市153人など。大泉町は118人で、新成人の23・0%が外国人だった。

 成人年齢が18歳に引き下げられる22年度以降の「成人の日」の記念行事の対象年齢について、29市町村が現行通り満20歳とする一方、藤岡市、下仁田、甘楽、長野原の各町、嬬恋、高山の両村は「未定」としている。

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