取材相手「マスク外したら?」 米国分断、過去にも例が

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ワシントン=渡辺丘
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 新型コロナウイルスが猛威をふるう米国でひときわ緊張を強いられるのは、マスクをほとんど着けない、トランプ大統領の支持者への取材だ。「マスク着用派」と「反マスク派」はいまや、米国社会の分断の象徴にもなっているが、ここまで広がった原因は何か。専門家に聞くと、1980年代に起きたある対立とも共通点があるという。

 大統領選を直後に控えた2020年10月下旬、取材で訪れたオハイオ州アシュタビュラのカフェでは、トランプ氏の支持者5人がコーヒーを飲みながら歓談していた。誰もマスクを着けていない。マスクを着けた私が距離を保ちつつ、恐る恐る話を聞こうとすると、「米国を再び偉大に」と書かれた赤い帽子をかぶった女性(90)に「その前にマスクを外したら?」と言われ、面食らった。

 選挙後の11月14日には、「選挙での不正」を主張するトランプ氏を支持する集会が首都ワシントンで開かれた。全米各地から集まった1万人以上の参加者のほとんどは、マスクを着けていない。民主党バイデン次期大統領の支持者や左派団体が「トランプは負けた」と声をあげ、トランプ氏支持者がつばを飛ばし、口論になる場面もあった。

 米国では、マスクの着用をめぐる考えと、政党支持の関係がはっきりしている。ピュー・リサーチ・センターの6月の調査では、「公共の場では常にマスクを着けるべきだ」と答えた人が、民主党支持者の63%にのぼったのに対し、共和党支持者では29%にとどまった。米国のコロナの感染者、死者数はともに世界最多で、米疾病対策センター(CDC)などが感染防止策としてマスク着用を呼びかけている、にもかかわらずだ。

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