御年88歳、今も現役 銀座レトロビルに残る住民の面影

有料会員記事

文・池上桃子、写真・内田光

拡大する写真・図版現代的なビルが立ち並ぶ銀座の街角に残る、レトロな外観の奥野ビル=東京都中央区、内田光撮影

[PR]

 88年にわたって動き続けるエレベーター。二重の扉を自分の手で開けて乗り込み、レトロなビルの散策を始めた。

拡大する写真・図版奥野ビルの手動開閉式のエレベーター=東京都中央区、内田光撮影

 オフィスビルや商業施設が並ぶ東京・銀座の一角に、建設当初の姿で残る「奥野ビル」は御年(おんとし)88歳。色あせたタイルの外壁にひかれて足を踏み入れれば、昭和初期にタイムスリップしたような感覚になった。

拡大する写真・図版1932年に建てられた本館(左側)と、2年後に完成した新館(右側)が連結したつくりになっている奥野ビル(写真2枚を合成)=東京都中央区、内田光撮影

 向かって左が1932年竣工(しゅんこう)の本館で、2年後に完成した新館と対を成し、内部の階段部分でつながる。エレベーターにはスチール製扉と黄色の蛇腹の扉を順に手で開けて乗る。入り口頭上の表示板は針の動きで階数を示す。

 オーナーの奥野亜男(つぐお)さん(76)の父治助さんが、23年の関東大震災で被災した工場兼自宅の跡地に建てた。当時としては珍しい鉄筋コンクリート造りの高級アパートで、映画監督や芸術家が暮らしていたという。

拡大する写真・図版新館の1階から2階をつなぐ階段=東京都中央区、内田光撮影

 生活の場だった個室にはいま、ギャラリーやアンティークショップが入る。廊下や階段といった共用部分には手をつけず、変色した床やむき出しのパイプ、そして、ところどころはげた塗装も残してある。「開発が繰り返される東京の真ん中で、昭和初期のビルが持ちこたえている。その歴史の重みを感じてほしい」と奥野さん。

記事後半では、地元で人気のグルメスポット紹介や会員限定のプレゼントもあります。

拡大する写真・図版特徴的な円窓がある5階の「アモーレ銀座ギャラリー」=東京都中央区、内田光撮影

 数多くのギャラリーがある銀…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。