元教授、現金受領目的で法人設立か 三重大病院汚職事件
三重大病院の医療機器納入を巡り、元教授の亀井政孝容疑者(54)=第三者供賄容疑で逮捕=が、自らが代表理事を務める団体の口座でメーカー側から現金200万円を受け取ったとされる事件で、団体で活動する際に必要な大学側の手続きが取られていなかったことが分かった。愛知・三重両県警は、亀井元教授がこの団体を現金受け取りのために設立した可能性があるとみて調べている。
元教授は2019年5月、一般社団法人「BAMエンカレッジメント」を設立。津市内の事務所は、元教授の部下で診療報酬の不正受給事件で再逮捕された同病院元准教授の境倫宏容疑者(48)の自宅とされる団地の一室だった。境元准教授と、第三者供賄容疑で逮捕された医師松成泰典容疑者(46)が監事を務めている。登記簿上は、麻酔に関する研究会やセミナー開催などを目的としているが、捜査関係者は「設立目的に沿うような活動実態は認められなかった」という。
三重大病院によると、学外に団体を立ち上げて活動する今回のようなケースは通常、兼業の申請と大学側の許可が必要になる。だが、亀井元教授側からの申請はなかったという。
国立大などでは企業が研究室に個別に寄付をしたい場合、宛先を名指しできる「奨学寄付金」と呼ばれる方法がある。三重大では「教育研究助成金」として用途などを指定し、大学を通じて寄付する仕組みがあり、亀井元教授側には2018年度に14件計575万円、19年度に9件計385万円が寄付された。両年度の資料には、公開に同意した製薬会社や医療機器メーカーの名称と金額が並ぶ。だが今回の事件で贈賄容疑で社員3人が逮捕された医療機器メーカー「日本光電」の名称はなかった。
BAMは、同社を含む3社か…
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