今川義元寄進の古面と「対話」 80年ぶりに赤鬼面新調
床並浩一
愛知・東三河に春を告げる「豊橋鬼祭」は、安久美(あくみ)神戸(かんべ)神明社(愛知県豊橋市)で毎年2月に2日間にわたり開催される。最大の呼び物が、2日目に披露される「赤鬼と天狗(てんぐ)のからかい」だ。荒ぶる神(赤鬼)を武神(天狗)が懲らしめる。
たくましい体ながら、滑稽なしぐさでからかう赤鬼、鎧(よろい)姿でなぎなたをかざして迫る天狗……。この両主役の面が、昨年、新調された。
鬼祭は、神明社創建の940(天慶(てんぎょう)3)年以降に始まったと伝えられる。戦国時代に今川義元から寄進されたとされる「古面」が今も神明社に残されており、かつては祭りでも使われた可能性がある。面は何度か新調されてきた。昨年は80年ぶりの新旧交代だった。
新面の製作を託されたのが、京都市の能面師北沢美白さん(34)だ。
嵐山に工房を構える北沢さん…
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