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 大雪を控えた晴れ間の下、12年ぶりの選挙戦の火ぶたが切られた。7日に告示された山形県知事選は、新顔で前県議の大内理加氏(57)=自民、公明県本部推薦=と、4選をめざす現職の吉村美栄子氏(69)の無所属2人が立候補。12年間の県政の評価を巡るコロナ下の論戦は、24日が投開票(酒田市飛島は19日投票)だ。

 大内氏は午前8時、JR山形駅前のホテルで出陣式を開き、約500人が参加。同9時半前に同駅東口であげた第一声には、遠藤利明氏ら県選出の自民衆院議員3人も顔をそろえた。

 選対本部長の遠藤氏は、吉村氏の親族が理事長の東海山形学園が、県による特別代理人の選任を受けずに理事長に金銭を貸し付けた問題に触れ「身内に甘い」と批判。マイクを握った慶応大1年の長沢パティ明寿さん(19)は「大内さんは若い世代の声に耳を傾けてくれる」と話した。

 大内氏はその後、衆院1区内を選挙カーで回り、夜は天童市と山形市の計3カ所で個人演説会を開いた。

 吉村氏は同8時、山形市中心部で出陣式を実施。コロナ対策で参加者は300人ほどだったが、県内7地区の選挙事務所ごとに支持者らが集まり、ネット中継を見ながら一緒にガンバロー三唱をしたという。

 首都圏に緊急事態宣言が発令されるのを受け、上京中の舟山康江、芳賀道也の両参院議員は電話で激励。舟山氏は「コロナ後は、間違いなく地方の時代。必要なのは中央とのパイプではなく自立した地方の確立。今こそ吉村知事の出番、本領発揮だ」と訴えた。

 吉村氏は同9時過ぎ、近くで第一声を上げた後、同市や故郷の大江町など8カ所で街頭演説に立った。(三宅範和、上月英興)

若い女性の県外流出 手立てを 大内理加(57) 無・新

 12年間選挙がなかったことは県民の皆様、県政発展にとって大きな損失だった。今回の選挙は県の課題、現状をお伝えし、どんな山形県をつくっていくのか、正々堂々と政策を訴えて戦っていきたい。

 県の人口減少はまったく歯止めがかからない。特に若い女性が県外に出て行く割合は全国一高い。しっかり手立てを打たなければならない。人口は地域の活力。豊かな県にしたいというのが私の思い。

 この県の子どもを取り巻く環境は非常に厳しい。発達障害児の初診待ちは6カ月で、この間、どんな思いでお母さんたちが待っているのか。まったく県民の声が届いておらず、私は必ず改善したい。

 コロナの後、「選ばれる山形」を目指す。東京は転出が転入を超え、一極集中から地方分散へと動き始めた。県民から選ばれ、日本中の人から選ばれ、世界から選ばれる山形県をつくっていきたい。

 そのためには、県民が豊かに生活できる土台を築いていかないといけない。交通インフラを前に進めること、質の高い地域医療体制の構築、「教育県山形」の復活、災害に負けない県土強靱(きょうじん)化。この四つをしっかりと進めたい。国と連携し、市町村と一体になる県政をつくるのが役割だと思っている。(鷲田智憲)

共生社会 誰ひとり取り残さない 吉村美栄子(69) 無・現

 コロナ克服、山形経済再生。いまの県政の最大の課題だ。新型コロナから県民の皆様の命と暮らしを守ることに全力を挙げたい。一丸となって難局を乗り越え、一人ひとりが真の喜びと幸せを実感できる山形県をつくっていく。

 そのために、私は5本の政策を掲げる。1本目は「子育てするなら山形県」の実現。出産費、保育料、高校授業料など、子育て費用を段階的に完全無償化していく。女性も輝ける社会をつくっていく。

 2本目は、「健康長寿日本一」の実現。医療的ケア児支援施設が4地域に設置されるよう支援していく。発達障害児の初診待ち時間を短縮する。三つ目は、県民幸せデジタル化。子供から大人まで誰もがデジタル化の恩恵を受けられる社会を構築していく。

 四つ目は、県民所得の向上。工業ではイノベーション創出を支援し、農業ではスマート農業などを推進する。観光はポストコロナを見据え、誘客拡大を図っていく。5本目は、やまがた強靱(きょうじん)化。ソフト、ハード両面で防災、減災を推進し、災害に強い県をつくっていく。道路、鉄道、空港、港湾の整備促進を図る。

 誰一人取り残されることのない、真に豊かな共生社会を県民の皆様と共につくっていきたい。

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