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 【福島】首都圏の1都3県に緊急事態宣言が出され、県内の観光地やスキー場などからは先行きが見えないことへの不安の声が漏れる。首都圏から観光客も多く、新型コロナウイルスの影響で客足が戻らない中、厳しさは増すばかりだ。

 昨季の雪不足とは打って変わって、ゲレンデ状況は良好という猪苗代スキー場(猪苗代町)。緊急事態宣言は「致し方ない」とするものの、リフト乗り場で案内係を務める男性は「お客さんが少ない」と浮かない表情だ。

 チケット担当の池田聡恵さん(47)は「首都圏のお客さんの足が遠のくダメージは大きい。地元や近隣の利用客に期待します」と前向き。だが、施設を管理する男性(66)は「この先、お客さんが来てくれるのか読めないのがつらい」。

 観光地は、先月中旬に政府が決めた「Go Toトラベル」の停止でも打撃を受けた。「そのフォローもできないうちの宣言は痛い」と、東山温泉観光協会(会津若松市)の鈴木寿治事務長は嘆く。年末年始は団体や家族でにぎわうはずの温泉街はすでに一変している。

 観光名所の鶴ケ城(会津若松市)の年末年始の天守閣入場者は約4千人。前年の3割にも届かず、「危機的状況だ」と会津若松観光ビューロー。帰省客が減ったことも原因とみている。山口龍一部長は「手を尽くし、今のうちに環境を整備する」と、城のビューポイントをPRするマップ作りなど、てこ入れ策を探る。

 土湯温泉観光協会(福島市)の池田和也事務局長(63)は「1~3月は卒業旅行のシーズンと重なり、首都圏の客を見込んでいたのに」と残念がる。「Go Toトラベル」も停止の延長が見込まれ、「感染防止対策を徹底して県内客を呼び込むしかない」。

 宿泊の8割は首都圏からの観光客という、いわき市のスパリゾートハワイアンズも「安心してもらえるようさらに衛生管理を徹底したい」と話す。

 県酒造協同組合(福島市)は、首都圏の酒類提供が午後7時までとされたことに危機感を募らす。鑑評会で高い評価を受ける県産日本酒は首都圏への出荷も多いという。阿部淳専務理事は「今まで以上に苦しい」と話す。

 県産酒が居酒屋の看板銘柄になっているケースもあり、「有名銘柄ほど厳しい」といい、「酒の生産量も増やせず、酒米をつくる農家にも影響が出る」と指摘。酒造業界を守る支援策を求めている。(上田真仁、古庄暢、小手川太朗、荒海謙一)

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