ウミガメ産卵546回、3年ぶり前年上回る 食害も確認

奄美通信員・神田和明
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 奄美海洋生物研究会(鹿児島県奄美市、興克樹会長)はこのほど、奄美大島で2020年に確認したウミガメの産卵回数は546回だったと発表した。前年は293回。近年は産卵回数の減少傾向が続き、3年ぶりに前年を上回ったが、アカウミガメについては過去最少となっている。

 研究会は「継続的な調査で推移を注視する必要がある」としている。発表によると、環境省の委託業務などで島内5市町村での産卵状況などを調べ、集計した。20年の産卵期(4月~9月)に確認した上陸回数は772回。このうち、産卵したのはアカウミガメが111回、アオウミガメ335回、種不明100回だった。

 全体の産卵回数は前年より多かったが、アカウミガメは3年連続で減少し、過去9年間で最少だった。その要因について研究会は、主要なエサ場の一つである東シナ海での漁業活動による混獲やエサの減少などが考えられるが、はっきりとは分からないとしている。

 一方、奄美大島ではリュウキュウイノシシによるウミガメの卵の食害も問題化しているという。20年は、島内の産卵場所の2割超で食害が確認されたという。研究会は、食害の恒常化はウミガメの個体数減少につながる恐れがあるとして、食害防止対策の強化が必要としている。(奄美通信員・神田和明)