コオロギ食で地球を救え! SNSで出会った2人の挑戦
吉村駿
【京都】世界の人口が増え続けている。2019年の77億人から30年に85億人、50年に97億人に増える、と予測される。食糧問題が懸念される中、重要な栄養素であるたんぱく質をどう確保するか――。考え抜いた末、一つの結論にたどりついた。
「昆虫食を広めよう」
松居佑典(ゆうすけ)さん(34)と西本楓(ふう)さん(22)は18年5月、昆虫を生産、販売する会社「BugMo(バグモ)」(京都市上京区)を立ち上げた。牛や豚に替わるたんぱく源として、昆虫、特にコオロギに注目した。たんぱく質を生産するのに必要な飼料は牛の2割程度とされる。昆虫食の先に見据えているのは、「地球」だ。
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松居さんは京都府宇治市出身。同志社大4回生のころ、体調を崩して休学した。「食の乱れで体調を壊した。食事がいかに大事か身をもって感じた」
17年に農業支援団体の活動の一環で、カンボジアへ渡った。海外企業がやってきて現地の農家に大豆などを作らせる。土地がやせれば、新たな土地を買収する――。そんなサイクルが定着していた。収穫した大豆などは輸出され、地元の食卓には並ばない。「食料生産の裏側を見た。いつか安定供給できなくなるのでは」と不安になった。
代わりのたんぱく源とされて…