聞き手・鎌田悠
今の子どもたちは、「自分の人生こんなもんだ」って思っている人が多い気がします。
なぜ勉強をするのか。もし言われた通りにやるだけなら、とにかく走ってくださいっていうマラソンと同じ。水がどこでもらえるのかもわからないし、いつ終わるのかもわからないと地獄です。受験だって、ワクワクしないで何となくやっている。親がやれと言っても、たいした動機づけにはなりません。そりゃ集中できないよ。
「受験はひとつのきっかけ。その先に世界が広がって、いままで君のまわりにいた人とは違う人に出会えるよ」
私を指導してくれた坪田(信貴)先生にはよくそう言われていました。「嵐の櫻井翔くんが通っていたから慶応を選んだ」と言うとウケがいいから、講演ではそう話しています。でも、本当は坪田先生みたいなワクワクさせてくれる大人にたくさん出会える場所に行きたいと思っていました。自分の環境は自分で選ばないと、狭い世界しか知らないで終わってしまう。そのことは強く伝えたいです。
大学卒業後はウェディングプランナーとして働いていました。数年ほどしてビリギャルの本が出版されて、全国の学校に呼ばれるようになりました。講演をしていると、「ビリギャルが成功したのはもともと頭よかったから」と言う人がたくさんいたんです。でも、自分ではそれは違うと思っています。
坪田先生との出会いが大きかったのは言うまでもありませんが、なぜうまくいったのか自分で解明したいと思うようになりました。ビリギャルのモデルとしてではなく、専門家として自信をもって、自分の言葉で伝えたい。それが今の私の夢です。
私はいまもワクワクしています。大学院で教育について勉強中です。近い将来はアメリカに留学したいと思っています。大人になると、どんどん挑戦するのが難しくなるじゃないですか。後輩たちが私の挑戦を見てくれるといいな。(聞き手・鎌田悠)
〈こばやし・さやか〉名古屋市出身。指導を受けた塾講師坪田信貴さんの著書「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」の主人公。自著「キラッキラの君になるために ビリギャル真実の物語」が発売中。=伊藤進之介撮影
14歳からの哲学
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簡単な言葉で書かれているのに、世の中にある「当たり前」について深く考えさせてくれます。自分がいかに何も考えずに生きてきたか、気づくきっかけになるはず。
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