マグロの初セリの舞台裏 「すしざんまい」を破った仲卸

有料会員記事

抜井規泰
[PR]

 豊洲市場東京都江東区)で5日、マグロの初セリがありました。毎年のように落札競争を繰り広げているのが、店頭に飾る名物社長の人形でおなじみのすしチェーン「すしざんまい」と、豊洲のマグロ仲卸「やま幸」です。今年は最高値争いからすしざんまいが撤退し、やま幸が「王座」を奪還しました。

 両社が繰り広げる年始めの初セリ。名勝負の舞台裏をご紹介します。

拡大する写真・図版2020年の初セリで1億9千万円余で落札したマグロと、すしざんまいの木村清社長

 生の本マグロ(クロマグロ)の初セリに「異変」が起きた起点は、2008年だったのではないかと私は思っています。この年、青森・大間産の本マグロに607万円の値がつきました。このとき「すしざんまい」を破ったのが「やま幸」です。

 日本近海をはじめ世界の海で漁獲され、氷づけされて豊洲市場に急送される本マグロ。最高値争いの舞台裏をお話しする前に、まずは、高級すし店や料亭にとって、極上品の生の本マグロが、いかに利益の出ない食べ物であるかを紹介したいと思います。

トロは寿司屋泣かせ 売れるほど赤字

 ある銀座のすし店では、最高級の本マグロの、しかも最も頭に近い腹側のブロックを購入しています。この部位を「腹カミ1番」といいます。値段は、時に1キロ5万円程度になるそうです。この1キロで5万円という数字を覚えておいてください。

 テレビなどで、マグロの解体…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら