92人感染の高齢者施設 救援で入った在宅医「愕然」

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 私は、札幌市で自宅や介護施設にいる利用者さんを訪問診療する「在宅医」をしています。普段は高齢者らの穏やかな最期に向けて、一人ひとり丁寧にケアをしています。ところが、このコロナ禍で全く別の経験をしました。クラスター(感染者集団)が発生した介護施設2カ所に診療支援に入ることになったのです。その経験と感じたことをお話しします。

それぞれの最終楽章・コロナ禍で(5)

静明館診療所医師 大友宣さん

 昨年4月下旬、札幌市北部にある定員100人の介護老人保健施設(老健)でクラスターが発生しました。初めてこの施設に入った5月4日、愕然(がくぜん)としました。施設の看護師が、感染などを理由に全員出勤できなくなっていたからです。私は、そのショックもあり、息苦しさを感じ、30分ほど動けなくなってしまいました。

 元々約40人いた介護職員は、8人しか残っていませんでした。その人数で夜勤と日勤をこなし、自宅に帰れず車の中で寝泊まりしていました。手が足りず、入居者の食事は1日2回になり、入浴も提供できませんでした。

 私たち医師は、入居者の日々の健康観察のほか、看護師との連携のため診療指針を作ったり、外部機関と応援看護師派遣のための調整をしたりしました。応援に来てくれた看護師たちも、想像を絶する勤務でした。日勤1人、準深夜勤1人で、100人近い入居者のケアをしなければなりません。

 新型コロナウイルスの怖さも…

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