隣接のコロナ拠点病院と中学、ほっこり感謝の交換
中村通子
大切な命のためにありがとうございます――。昨年末、新型コロナウイルス診療の拠点・津山中央病院(岡山県津山市)に隣接する中学の校舎にこんなメッセージが掲げられた。感激した病院側は、返礼を横断幕で伝えることに。感染急拡大のなか、行き交う感謝の言葉がほっこりした光景になっている。
市立津山東中学(植月慎二校長、650人)は、感染症指定医療機関の津山中央病院と向かい合う位置にある。メッセージは、医療者らに感謝を伝えたいと企画した。
終業式があった先月24日、「津山中央病院の皆様 大切な命のためにありがとうございます」という言葉をA3用紙を4枚つなげた紙に1文字ずつ印刷。グラウンドを挟んで建つ病院からよく見える4階建て校舎南側の3、4階の窓に貼った。
津山中央病院では、校舎が見える病棟6階の看護師がこのメッセージに気付いた。「窓に字が出ている!」と連絡を受けた西川秀香・看護部長がスマートフォンで撮影し、院内のネットで共有。「サプライズのクリスマスプレゼント。病院中がうわーっと感激しました」
さっそくこれに応えようと「東中学校のみなさん、メッセージありがとう! 勇気と力をいただきました!!」と書いた大きな横断幕を製作。4日後から、敷地北側の健康管理センター外壁にかけている。
コロナ対応にあたる感染症内科の藤田浩二特任部長は「医療者を差別するような心ない人がいる中で、涙が出ました。頑張る力がわいてきます」と感謝。津山東中の植月校長は「コロナ禍はまだ続くでしょう。生徒たちと感謝の思いをいろいろな形で伝えていきたい」と話している。(中村通子)
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