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 新型コロナウイルスの感染急拡大で政府が緊急事態を再宣言した8日、千葉県内でも日常生活に大きな制約が加わった。飲食店では午後8時までの時短営業が広がり、学校は部活動の時間を短縮。延期続きの修学旅行は中止の検討が始まった。「残念」「仕方ない」――。各地で諦めの声が響いた。

 「お客さんが全く入らないという覚悟でやっていくしかない」。通常午前1時までの営業時間を午後8時までに短縮した千葉市中央区の居酒屋「本町厨房(ちゅうぼう) TETSU流」。店長・小川哲郎さん(55)は、こう話し、頭を抱えた。

 昨春以降、政府の給付金などで損失を補塡(ほてん)しながら営業を続けてきた。座席数を半分以下にするなど対策を徹底し、入り口に千葉市のコロナ対策宣言のステッカーも貼った。だが、この冬、感染者が増えると更に客足が落ち、売り上げは例年の3分の1だ。

 8日に訪れたのは常連客2人だけ。午後5時半開店の店にとって、時間短縮は痛手だ。「たった2時間半で利益が出る訳がない」と小川店長。政府の協力金では足りず、平日のランチ、土日の開店時間の前倒しを模索する。「このままではお店は持たないかもしれないが、仕方ない。何とかここで抑えてもらえれば」

 東京都に隣接する松戸市。松戸駅近くでイタリア料理2店を経営する半谷(はんがい)亮太さん(38)も時短の強化で大幅な減収が避けられないという。「時短には従う」としながらも、店を支えるお客や納入業者らを念頭に「皆さんと相談しながら、今後どう切り回していくかを考えたい」と混乱ぶりをのぞかせた。

 「モンキー」と「モンキー ハウス」の両店はランチも出しているが、夜中心の店。モンキーは本来午前零時までの営業が4時間も早まる。従業員、アルバイトは計8人ほど。モンキーは昨春の緊急事態宣言から、もう1店は開店した昨年暮れから弁当と宅配サービスを続けている。それでも「料理人として(難局を)いかに楽しんでやっていけるか、ですね」と前向きに話した。

 8日、初めてコロナ感染者2人が確認された鋸南町。感染者は少ないが、同町保田ですし店「美浜」を営む渡辺政一さん(56)は県の時短要請に応じる。80歳代の母と同居していることもあり、「とにかく感染がおっかないですから」。

 営業時間を午後8時で切り上げ、アルコール提供も同7時までとする代わり、昼間の出前に力を入れるという。「町は人口が減っていて出前はそれほど多くない」と不安は残る。

 飲食店でも、協力金が出るのは中小企業などに限られる。それでも、食事の提供がある千葉市内の大手カラオケ店は、午後8時までの時短営業に踏み切るという。20代従業員女性は「だんだんコロナに慣れてお客さんの意識が低くなっている実感があった。客足は途絶えると思うが、感染がもっと広がって休業要請が出るよりマシ」と話した。(佐藤瑞季、青柳正悟、川上眞)

     ◇

 学校では部活動が放課後90分以内に制限された。

 「これまでも感染対策はバッチリしてきたし、感染トラブルも起きていないのになぜという思いもある」

 練習時間の短さにとまどうのは、先月、開催された県アンサンブルコンテストで東関東大会出場を決めた強豪高、市川昴高校吹奏楽部の武富ひなた部長(2年生)だ。

 3月に定期演奏会を控え、3密の回避、消毒の徹底など細心の注意を払い、放課後には4時間近く練習する人もいた。武富さんは「マイナスに考えてもしかたがない。早く以前のように練習したり、演奏したりしたい」と話す。

 一昨年、全日本合唱コンクールの全国大会に出場した国府台女子学院高等部の合唱部は、部活を中止することに。ただ、部員たちの士気は高く、すぐにオンライン会議システム「Zoom(ズーム)」を使って今後の目標や練習について話し合った。部長の中田萌衣さん(1年生)は「少しずつ以前の環境に戻っていただけに残念」。でも、部員らと「未来を明るくとらえていこう」と確認し合った。

 運動部も状況は同じだ。宣言期間中は、県高校体育連盟が主催する県高校新人体育大会などは開催されず、宣言解除後の開催の可否は県高体連が協議して決める。安房高校の高野勝教頭は「生徒たちは大変残念に感じているが、自宅で個人練習に励むなど、今できることに全力で前向きに取り組んでいる」と話した。

 昨春以降、延期や中止が相次ぐ修学旅行。県立8校は宣言期間中に予定していたが、実施が難しくなっている。

 検見川高校では、11月に2年生約320人で3泊4日での沖縄旅行を計画していたが、延期。改めて2月7日から2泊3日で関西への修学旅行を予定していた。しかし、日程が宣言最終日と重なった。

 今後、旅行業者と旅行の可否だけでなく、キャンセル料などについても話を詰める。財前浩児教頭は「修学旅行は『友達』と行って『親友』として帰ってくる行事。本当は経験させてあげたい」と語った。(大嶋辰男、多田晃子、今泉奏)

緊急事態宣言下の飲食店と教育現場への対応

【飲食店】※特措法に基づく要請

 営業は午後8時まで。酒類の提供は午前11時~午後7時に限定。(8日から千葉市、東葛11市の酒類を提供する飲食店、12日から県内の全飲食店が対象)

【県立学校】※県教委からの通知

○学校運営

 地域の事情などに応じて校長判断で時差通学を実施。修学旅行は、直前でも中止や延期の判断をするなど慎重に対応

○部活動

 平日のみ放課後90分まで。対外試合や演奏会は禁止。運動部は身体接触のある活動を避ける。合奏や合唱はしない

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