連覇の桐蔭学園、強さの秘密 前半は「まき餌」に徹す

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内田快 大坂尚子
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 (9日、全国高校ラグビー大会決勝 神奈川・桐蔭学園32―15京都成章)

 勝ち越した直後の後半4分、桐蔭学園は自陣深くから攻めはじめた。手をかけられても、相手を引きずるように前進してから、味方にパスを出す。体の強靱(きょうじん)さにものを言わせた攻撃はWTB今野(いまの)がトライで完結させ、22―10と差を広げた。

 自粛生活を強いられた昨春、3カ月半もチーム練習ができなかった。試合が続く例年だと、なかなか腰を据えてできない体作りに専念した。

 それぞれ目標を設定し、走り、食べた。走行距離をアプリで共有し、刺激しあった。新たなトレーナーに依頼し、トレーニングメニューをオンライン会議システムをつないで学んだ。

 全体練習が再開した7月、藤原監督は選手たちの体に驚いた。「時間を与えると、ここまで大きくなるんだな」。ロックの青木は「自粛前は緩かった服がきつくなっていた」と言う。

 フィジカルに自信があるからこそ、この日の前半は「まき餌」に徹した。パスを控え、先発の平均体重で100キロを超えるFW陣が屈強な体をどんどん相手にぶつけた。「FW勝負でパスは少ない」と思い込ませるためだ。案の定、後半に京都成章の選手は球の持ち手に群がってきた。その分、空いた外のスペースにパスを出してつなぎ、ペースを握った。

 コロナ禍で異例のシーズンを強いられた。思うに任せぬ時間を生かし切り、さらに強くなることをめざした。桐蔭学園の2連覇は必然だった。(内田快)

伝統の「ピラニアタックル」で健闘

 後半に相手がたたみかけてく…

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